宣陵駅で死亡して配達労働者の追慕の場を引き上げ、プラットホーム企業に安全保障を要求 2021年8月29日 韓国の労災・安全衛生
ソウルの宣陵(ソンヌン)駅前の通りで、貨物車に轢かれて亡くなった40代のバイク配達労働者の現場追悼の場が29日に終わる。故人の出棺が行われた。事故に遭った配達労働者と委託契約を結んだ㈱「優雅な兄弟」の「配達の民族」が、遅くはなったがすべての葬儀費用を支給すると伝えられた。
民主労総サービス連盟サービス一般労働組合配達サービス支部(労組)は、故人の出棺と同時刻の29日午前9時、ソンヌン駅の追悼の場を引き上げると、この日の報道資料で明らかにした。
労組によれば、前日の夕方、労組の仲裁で、「配達の民族」の使用者が遺族に葬儀費用を全て支給することを決めた。
当初、使用者は葬儀費用を支給するとした後、弔意金の形で一部だけを支給すると通知して、労組の反発を買っていた。労組は「葬儀費用の一切と慰労金を支給することが、故人に対する最小限の礼儀」と批判していた。
しかし、これだけでは根本的な問題は解決されないというのが労組の立場だ。労組は「ライダーはプラットホーム労働者という名目で、この間、産災保険を除いたすべての社会保険から除外されている。」「今後、労働者として持つべき権利を一つひとつ求めていく」と念を押した。
26日に事故が発生した次の日、労組は事故現場に、故人が乗っていたバイクを置いて、追悼の場を用意した。その後、追悼の場には配達労働者たちと市民の追悼の行列が続いた。それだけ社会的な問題として浮上したのだ。
労組は「ライダーは十匙一飯の扶助金を集めて労組に送った。」「労組はこれを遺族に送る予定だ。共にして下さった市民に感謝の言葉を伝える」とした。
また、労組は「今回の追悼の過程で、多くの市民がライダーの安全問題を提起し、私たちは今後この問題を集中して解決していこうと思う。」「ライダーの死は構造的だ。今後私たちは、ペダルライダーが産災に遭うような状況を変えられるように、制度改善と意識改善の活動をしていく」と明らかにした。
労組は「9月から『配達の民族』の代表交渉労組として賃金交渉を始める。更に、クパン・イーツとライダーユニオンとで共同交渉団を構成して団体交渉を準備している」とし、「私たちは今回のプラットホーム企業との交渉で、ライダーの安全問題についてプラットホーム企業の責任を問い、ライダーの安全を保障する方案を作る」と強調した。労組は「特に、クパン・イーツが維持している配達バイクの無保険政策に対しては、問題を提起していく」と指摘した。
更に、労組は政府に向かっても、「配達バイク共済組合の設立とライダーの安全のために、制度的な改善を要求する」と明らかにした。
労組は「7月27日に生活物流サービス法が施行された。この法には国土交通部長官の認可によって二輪車共済組合を設立できるようになっている。」「ところが政府は9月定期国会への予算提出が余り残っていないのに、現在まで配達バイク共済組合に対する予算を配分していない」と批判した。同時に「私たちは、政府にライダーの安全についての意志があるなら、必ず予算を配分するべきだと考える」と強調した。
また、労組は「私たちはライダーの安全教育と停止線を守るキャンペーンなどを行って、自らの安全を守る」と念を押した。
労組は「今回のソンヌン駅の事故によって、多くのライダーが安全問題を点検する契機になったし、今後は変わっていくべきだと自省している。」「時間は掛かるだろうが、私たちは私たちの問題を一つずつ改善し、安全な配達環境を作るために行動する」と明らかにした。
2021年8月29日 民衆の声 チェ・ジヒョン記者