今年だけで3人が労災で死亡・・現代建設、現場労働者の意見反映を粗雑に 2021年8月2日 韓国の労災・安全衛生

ハンギョレ/資料写真

今年の上半期だけで三人の協力業者の労働者が挟まれや墜落などで死亡した現代建設を政府が特別監督をした結果、危険な要因を知らせた現場労働者の意見を作業過程にキチンと反映していないことが分かった。更に、協力業者の職員は意見聴取の対象から除外されていた。

雇用労働部は先月14日から、現代建設本社の安全保健管理体系の点検と、全国の現場の法違反について特別監督した結果、現代建設が安全保健管理制度を形式的に運営していた事実を確認したと明らかにした。現代建設は2011年から2021年の上半期までに51人が産業災害で死亡した事業場だ。特に、今年は半年で建設現場の労働者三人が、挟まれたり墜落などで死亡した。これらはすべて協力業者の職員だ。

労働部が本社と68の建設現場を監督した結果、産業安全保健法に違反した事項は、本社段階で過怠金198件(3億 9140万ウォン)と是正措置2件、現場で司法措置25件と過怠金76件(1億 7621万ウォン)、是正措置75件などだった。安全保健管理体系が構造的に不十分な事例が多かった。

先ず、現場の労働者の意見を聴いて改善策を作る『安全保健提案』制度を運営しているが、実際にこの制度によって出てきた提案を現場に反映する比率は低かった。最近三年間に152件の提案がされたが、この内、反映されなかった件数は66件(43%)、検討中や安全保健と関連がない意見だと結論付けた件が18件(12%)だった。その上、協力業者の労働者は最初から意見聴取の対象から除外していた。

各現場の所長がいつも行う現場危険性の評価も、危険な工程を排除したり、改善する措置が伴わず、評価の度に同じ危険要因が繰り返し発見された。本社も、評価で指摘された事項を各建設現場が是正しているかをモニタリングしていなかった。

現場管理と安全企画の業務を担当する安全保健管理者は500人もいたが、安全管理者の正規職比率は39%に止まり、保健管理者はすべて非正規職だった。その上、これらは別途の職務遂行能力の評価もなく安全保健管理職群に配置されたり、業務を行っている途中で他の職群に転換されることが頻繁だった。労働部は「安全保健管理者の責任感ある業務遂行条件が保障されていない」と判断した。

この他に、代表理事と各事業本部は、安全関連の方針と目標を立てて運営していたが、実際にこれを達成するための具体的な推進戦略を立てていなかったり、安全関連の成果を測定する指標は作っていなかった。予算も安全保健関連の編成額と執行額は毎年増えたが、大部分は安全保健管理者の給与として支出され、協力業者を支援したり、職員の安全教育には使われなかった。協力業者を選定する時も、全体評価点数100点の内、5点しか安全管理レベルに配点せず、事実上安全管理レベルの低い最低価格の業者を選定していた。

労働部が示した現代建設への監督基準は、事前に『適正な予算と人材』を備えなければなければならないと包括的に定義した重大災害処罰法施行令の細部基準になるものと見られる。来年1月から重大災害処罰法が施行されれば、企業が関連の手続きを備えたかを見ることに加え、制度の実効性まで同時に点検する可能性が大きい。クォン・ギソプ産業安全保健本部長は「書類中心の安全保健管理体系では重大災害処罰法を避け難い」とし、「危険要因の分析・改善手続きに現場の労働者の参加を保障し、安全保健専門担当要員の活動時間を保障するべきで、協力業者の安全管理レベルを高める措置に重点を置かなければ、重大災害を予防することはできない」と話した。

2021年8月2日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1006132.html