労働部「ソウル大清掃労働者に筆記試験、職場内いじめだ」 2021年7月30日 韓国の労災・安全衛生

7日にソウル大学校の行政館で行われた『ソウル大学校清掃労働者組合員死亡関連・ソウル大学校オ・セジョン総長糾弾記者会見』で、清掃労働者が発言している。/聯合ニュース

先月26日にソウル大の寮の休憩室で亡くなっているのが発見された清掃労働者A(59)さんが、職場内いじめの被害者であるという当局の調査結果が出た。

雇用労働部は30日、ソウル大の寮の清掃労働者Aさんの死に関して「一部で職場内いじめがあると判断し、ソウル大学校に改善を指導した。」「改善指導事項を履行しない場合、ソウル大を勤労監督の対象に含ませるなど、厳重に対処する方針」と明らかにした。

労働部はソウル大の寮の安全管理チーム長が清掃労働者に業務上関連性がない筆記試験を受けさせたことと、清掃労働者の服装を点検して評価したことを職場内いじめだと判断した。チーム長が清掃労働者に(英語、漢字などが含まれた)筆記試験を受けるようにさせたことに対して労働部は、「チーム長は教育訓練の一環だと主張するが、試験問題には組織の漢字と英語の名称、開館の沿革など、業務との関連性が希薄な内容が多数含まれ、教育訓練と見るのは難しい。」「勤務成績評定はしないが、試験成績を評定に反映するといったプレゼンテーション画面を掲示した事実を確認した」と発表した。チーム長は試験が「外国人や父兄の応対に必要な素養」と主張したが、労働部は応対業務は清掃労働者の業務と見る理由がないと判断した。

ソウル大の寮の清掃労働者が行わなければならなかった筆記試験。清掃業務と関係ない寮の開館の沿革、漢字・英語の試験を受けなければならなかった。/民主労総全国民主一般労働組合提供

チーム長が清掃労働者の服装を点検して評価をしたことについても、労働部は「チーム長が6月9日の二次業務会議に『ドレス・コード』に合う服装を、三次業務会議には通勤服を着て参加することを勤労者たちに要請し、行為者が会議中に一部の勤労者たちの服装について手を叩くなどの評価をした」とし、「業務の適正範囲を越えた職場内いじめ行為」とした。

労働部はソウル大にこのような内容の調査結果を通知し、清掃労働者対象の筆記試験など、職場内いじめを直ちに改善して再発防止対策を講じるように指導した。ソウル大がチーム長に対しても『必要な措置』をし、校内の全労働者に職場内いじめの特別予防教育を実施するようにした。

労働部の調査結果が出ると直ぐに、労働組合(民主労総全国民主一般労組)は立場文を出して、「評価結果(の一部の内容)に、不利益がなかったという理由だけで職場内いじめに該当しないという調査結果は、ソウル大の清掃労働者の苦痛を推し量ることができず、強い遺憾を表わす」としつつも、「ソウル大がこの間否定してきた清掃労働者の事件が職場内いじめと認定された。オ・セジョン総長は故人の遺族と清掃労働者に直ちに公式的な謝罪をせよ」と要求した。

2021年7月30日 ハンギョレ新聞 イ・ジェホ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1005884.html