学校給食室・製鉄所など労働者78人『職業がん』労災申請 2021年6月3日 韓国の労災・安全衛生

職業性・環境性癌患者探し119と民主労総傘下の労働者が3日、政府のソウル庁舎前で大規模職業性癌集団産災申請と制度改善を求める記者会見を行った。/キム・チョルス記者

学校の給食室、ポスコ製鉄所、半導体工場などの現場で働いて癌を発病した労働者が、集団で産業災害を申請し、職業病審議制度の改善などを求めた。

民主労総と職業性・環境性癌患者探し119(職業性癌119)等は、3日に政府のソウル庁舎前で記者会見を行い、職業性癌に罹った労働者78人の集団産災(労災)を申請すると発表した。

これらは4月28日の「世界産災死亡労働者追悼の日」に行った『職業がん患者探す運動宣言式』以後、5月の一ヶ月間に届けられた労働者だ。今回の集団産災申請に参加した労働者は、学校給食室の労働者24人をはじめ、プラント建設19人、ポスコ製鉄所15人、電子産業8人、地下鉄2人、化学産業団地2人など、様々な職種で働いていた。

産災を申請した癌の分布は、肺癌が33人(45%)で最も多く、次に白血病12人(16%)、乳癌9人(12%)、甲状腺癌5人(6%)、膀胱癌・胃癌・大腸癌がそれぞれ2人だった。この他に、脳腫瘍、内分泌癌、食道癌、肝臓癌、腎盂癌、胆のう癌、直腸癌、ルーゲリック病、パーキンソン病などに罹った労働者も、今回の集団産災申請に参加した。年齢別には40代から70代の中年以上が大部分だったが、20代後半から30代の若い労働者もいる。

今回の産災申請は三回目で、先の二回に申請した21人を合わせると、累積の申請者は99人だ。

これらは記者会見で、「我が国の一年間の職業性癌の申請者が平均200人台だということを勘案すると、今回の申請は大規模産災申請」で、「一日平均2件以上の相談電話が続いている」と、現場の雰囲気を話した。

続いて「我が国は、癌の内の職業性癌の比率が0.06%で、世界保健機構(WHO)と専門家たちが推定した4%とは著しく離れていて、非正常に近い」として職業病審議制度の問題を提起し、「職業性癌患者は産災補償保険法によって保護され、適切な補償と治療を受けるべきだ」と強調した。

これらは職業性癌患者を管理するために、病院の医療体系を通した監視体系を法制化することを要求した。『病院の医療体系を通した職業性癌の監視体系』は、癌患者が初めて接することになる病院を通して職業性癌の患者を捜し出すシステムだ。

職業性癌119は「癌と診断されれば、基本的な職業歴を確認し、該当する作業と癌発生の可能性を評価した後、自動的に産災保険体系に連結されるようにする制度」と説明し、「もしこのシステムが構築されれば、職業性癌患者は爆発的に増加する可能性が極めて高い」と主張した。

また、職業性癌の審議期間を短くするために、『推定の原則』の適用を法制化し、適用基準も拡大することを要求した。

職業病を審議するのは勤労福祉公団が運営する業務上疾病判定委員会だが、平均処理期間は172日で、特に職業性癌の処理期間は平均334日と、相当な時間が必要とされる。これについて判定委員会は、処理期間を短くするために、最近は一部の事例に限って『推定の原則』を適用している。『推定の原則』は、作業期間、曝露量などに関する認定基準を充足すれば、反証がない限り職業病と認定することだ。万一、認定基準を充足しなくても、医学的な因果関係があれば業務上疾病と認定することになる。

職業性癌119は、「『推定の原則』の適用対象が非常に限定されており、これを拡大適用するための法改正が切実に必要だ」とし、「もしこの制度が拡大されれば、職業病の審議期間が画期的に短縮され、社会的な費用を大幅に節減できる」と強調した。

これらはその他に、職業性癌の予防と管理のために、△健康管理手帳制度の対象発癌物質と曝露基準の拡大、△労働者の知る権利保障ための産業技術保護法の改正などを求めた。

2021年6月3日 民衆の声 キム・ベッキョム記者

https://www.vop.co.kr/A00001573953.html