『危険の移住化』を防ぐには別途の政府機構が必要 2021年6月3日 韓国の労災・安全衛生

危険な業務を移住労働者に転嫁する、いわゆる『危険の移住化』問題を解決するために、政府次元の別途の対策機構を作るべきだという主張が提起された。

民主労総と移住労働者平等連帯などは2日に声明を出して、「移住労働者に危険な現場の業務を拒否できる基本的な権限を付与すべきだ」とし、「移住労働者の重大災害は、事案の深刻性と特性を反映した、別途の対応機構によって対策を作るべきだ」と要求した。

国内産業の維持のために働く移住労働者が、職場で亡くなる事故が絶えることなく続いている。昨年の12月、カンボジア出身のソクヘンさんが、寒波の中のビニールハウスで死骸で発見された。今年3月、華城市の自動車部品会社で働いていた50代の中国人の女性労働者は、夜昼交代で働いて、機械に首を挟まれる事故に遭い、治療を受けたが亡くなった。大邱の自動車部品会社で働いたカザフスタン出身30代の労働者は、ロボットに頭を挟まれて死亡した。

雇用許可制によって、移住労働者は300人未満の企業や農畜産業・近海漁業・養殖漁業・塩採取業などで働く。仕事がきつくて危険で人手不足の業種を維持するために移住労働者が利用される。民主労総によれば、移住労働者の産業災害発生率は内国人労働者よりも30%ほど高く、毎年100人以上の移住労働者が産災で亡くなっている。

このような現象は『危険の移住化』と呼ばれる。民主労総の関係者は「重大災害で民事上の損害賠償金を支払う時も、移住労働者の本国での逸失利益を根拠に計算するので、事業主は1千~2千万ウォンの合意金で事件を収めようとする」と話した。重大災害が発生しても、事業主が大きな損害をこうむらないせいで、危険な職場が放置されているということだ。

民主労総などは声明で、「適正な人員配置を要求する権利を保障し、自国語のマニュアルと指針を提供し、移住労働者が自ら職場を異動できるようにすべきだ」とし、「政府は、危険な労働環境でも無理に働かなければならない現実を改善するための特別な対策を立てるべきだ」と主張した。

2021年6月3日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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