『ビニールハウス宿舎・重大災害発生』移住労働者は事業場変更が可能に 2021年3月2日 韓国の労災・安全衛生

移住労働者の寄宿舎産災死亡対策委員会の会員たちが、1月4日に国家人権委員会の前で記者会見を行い、ある農家でカンボジア出身の移住労働者が死亡した事件に関して、臨時宿舎の用意と医療支援などの緊急救済を求めている。/クォン・トヒョン記者

今月末から、ビニールハウスなど不法な仮設建築物を宿舎として提供されたり、事業場で重大災害が発生した場合、移住労働者の事業場変更が許される。農・漁村で働く移住労働者も、入国後直ちに健康保険を適用されることになり、保険料の半分を軽減される。

雇用労働部など関係部署は2日『外国人勤労者勤労条件改善法案』を発表した。寒波が押し寄せた昨年12月、抱川市のある農場のビニールハウスの宿舎で、肝硬変で亡くなって発見されたカンボジア出身のソッケンさん(31)の死亡後に、移住労働者の劣悪な宿舎問題が提起されるとすぐに、政府が用意した対策だ。昨年の政府の調査によれば、農・漁業分野の移住労働者の70%が、コンテナ、組み立て式パネル、ビニールハウスなど、仮設建築物に居住していることが明らかになった。

移住労働者の事業場変更理由が拡大される。現行法上、移住労働者は最初に雇用許可を受けた事業場で働き続けることが原則で、使用者の勤労契約解約や契約満了時に、合計5年の就職活動期間の間に、5回まで事業場変更ができる。休・廃業や不当な処遇など、労働者の責任でない場合には、回数制限なく事業場を変更できる。しかし、実際の現場では、事実上使用者の許可がなければ事業場を変更できず、これによる人権侵害の問題が提起されてきた。

政府は今月末までに関連告示を改正して、事業場変更回数は制限をされない『移住労働者責任でない理由』を拡大する計画だ。これには不法仮設建築物を宿舎として提供されたり、農閑期・禁漁期に勧告退社された場合が新しく含まれる。使用者の産業安全保健法違反で3ヶ月以上休業が必要な負傷・疾病が発生したり、事業場で重大災害が発生した時、使用者が移住労働者専用保険(出国満期保険、賃金未払い保証保険)と、社会保険に加入しなかった時も、事業場変更理由に含まれる。職場の同僚、事業主の配偶者や直系尊・卑属から性暴行被害を受けた時も、使用者が加害者である場合と同じように、緊急事業場変更理由に入る。

移住労働者支援団体は、移住労働者が自由に事業場を変更できなければ人権侵害の問題は根本的に解決されないという立場を明らかにした。抱川移住労働者センター代表のキム・タルソン牧師は「事業場変更の自由を全面許容すれば、使用者が移住労働者に絶対的な権力を思う存分振り回すことはできない。」「政府は事件が発生する度にはんだ付け式に対応するのでなく、雇用許可制を労働許可制に切り替えるべきだ」と話した。

2021年3月2日

京郷新聞 チョン・テヨン記者

http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/985043.html