またしても韓国・物流センターで火災、労働者5人死亡、8人負傷 2020.07.22/韓国の労災・安全衛生
政府が利川物流倉庫建設現場の火災に伴う対策を出してから1ヶ月余り、再び物流センターで大型火災事故が発生した。今回は京畿道・龍仁のSLC物流センターだ。
京畿道消防災難本部と雇用労働部によれば、21日午前、SLC物流センターで火災が発生した。2時間余りでほとんど鎮火したが、それまでに避難できなかった労働者5人が死亡し、8人が負傷して病院に移送された。当時、物流センターでは69人が働いていたことが分かっている。
火事が起きた物流センターは、地下5階、地上4階、延面積11万5千㎡の規模で、地上には「イーマート24」が、地下1階はオトゥギ物流サービスが入店している。地下2階は出荷ホーム、地下3~4階はJOPNPとオトゥギ物流サービスが低温倉庫として使い、地上2~4階は空室だった。69人の労働者のほとんどが地下4階で働いていて、死亡した5人もここで発見された。
消防当局と警察は地下4階の保冷車で原因不明の爆発が起こり、一瞬のうちに火が拡がったと見て、正確な火災原因を調査している。爆発と同時に発生した火がアッという間に建物全体に拡がって有毒ガスを発生させ、人命被害が大きくなった。
4月に38人の労働者の命を奪った利川のハンエクスプレス物流倉庫建設現場の火災事故と似たような形だ。政府は先月16日に『物流センター建設現場火災安全対策』を発表した。当時政府は「費用がかかることを心配して、大型火災発生の危険がある可燃性建築材料の使用制限に、不十分な点があった」として、建築材料の火災安全基準を大幅に厳しくした。しかし、この対策は建設中の物流センターにしか適用されない。今回の事故が起きた龍仁物流センターはこれに該当しない。
3ヶ月の間に物流倉庫で相次いで大型火災が発生し、働いていた労働者が尊い命を失ったということは、物流倉庫がそれだけ火災に脆弱なのにも拘わらず、予防対策が充分でなかったと見ることができる。今回の事故がおきたSLC物流センターは、2017年の建設中に、土留め工事を手抜きして、1人が亡くなり9人が負傷する重大災害が発生している。
2020年7月22日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者