「建設現場の労災をなくそう」顔を合わせた元請け・下請け・・・変化の契機は「黄色い封筒法」/韓国の労災・安全衛生2026年09月10日

先月20日、ソウルの全国プラント建設労組の会議室で、GS建設のキム・テジン代表取締役と、民主労総全国建設労組・全国プラント建設労組の共同交渉団が向かい合って座った。元請け・下請け労使の顔合わせであり、第一回の交渉の場でもあった。元請け総合建設会社と建設現場の下請け労働者を代表する労組が、交渉のために顔を会わせたのは初めてだ。両者は「建設現場に蔓延する労災をなくそう」と、本格的な議論を始めた。キム・テジン代表取締役は「互いに共生し、発展できるように努力する」と話した。建設労組委員長とプラント建設労組委員長も「現場で負傷する建設労働者がいないことを願う」と応えた。14日の第二回交渉に続いて、隔週で話し合う予定だ。
今年3月10日に施行された『黄色い封筒法』(改正労働組合及び労働関係調整法)がもたらした大きな変化だ。『黄色い封筒法』は、実質的な支配力を持っているのに対話すらできなかった元請事業主に対して、下請労組との団体交渉義務を課した。施行6ヶ月を迎えた『黄色い封筒法』を契機に、元請けと下請けが会い、産業安全や労働条件など、事業場の問題を議論する場が少しずつ生まれてはいるが、未だ道のりは遠い。
キム・ソヒ「国民の力」議員が9日に雇用労働部から受け取った資料によると、先月14日現在、下請け労組から交渉要求を受けた元請け事業場は456ヶ所である。民間企業が259ヶ所(56.8%)、公共機関が197ヶ所(43.2%)で、実際に労使が交渉を開始した事業場は合わせて102ヶ所(22.4%)に過ぎない。交渉が円滑に進んでいる事業所は更に少ないが、新たな元請・下請関係を築こうと努力しているところも目立つ。
「労災多発事業場」という汚名を着ている建設の元請け・下請けが代表的だ。建設労組の副委員長は、「労使が参加して、産業安全・健康権の問題を議論できる定例協議会などの仕組みを作ることが今回の交渉の核心だ」と話した。建設業で元請けと下請けとの交渉が成立したのは、「継続的なコミュニケーション」が役割を果たしたからだ。建設労組副委員長は「地方労働委員会で使用者性を認められた後、事前ミーティングを進める中で、当初は交渉に否定的だった元請け側の考えが変わった」と説明した。
「黄色い封筒法」を巡っては、「数百の労組と交渉しなければならない」とか「労組が無理な要求をするだろう」といった攻撃が激しかったが、労使が対話を始めたことで漠然とした拒否感が薄れ、対話の必要性を認めるようになった。「違法な多段階下請けが蔓延する建設現場での安全問題を改善するためには、元請けが動かなければならないことはみんな解っているが、『黄色封筒法』以前には、元請けの社員と話し合うなんて、想像すらできなかった」と話した。「(法施行後)初めて、元請けの労使関係担当者と名刺を交換し、対話の道が開かれた。産業安全の問題を、元請け・下請けが一緒に解決しようという共感も形成された」と付け加えた。
建設・プラント建設労組共同交渉団は、サムソン物産、ロッテ建設、ポスコE&C、現代エンジニアリングなどの大手建設会社と、実務協議で顔合わせの日程を調整している。

黄色い封筒法施行の後、元・下請けの交渉状況
交渉を要求された元請け事業所 456個
民間企業 259個
公共機関 197個
交渉を求めた労組の数 1218個
組合員数 17万9511人
労使の交渉開始
102個(22.4%)
2026年9月10日 ハンギョレ新聞 パク・ダヘ記者


