建設労働者が「黒い安全帽」を被った理由・・・「私たちを救い出せ」/韓国の労災・安全衛生2026年04月23日

23日午後12時30分、ソウル・鍾路区の現代建設本社前に『祭祀台』が設置された。建設資材を組み立てて作ったテーブルの上には、米が一杯に入った安全帽が置かれ、その上に差し込まれた線香からは白い煙が昇った。『祭祀台』の向こうのテントには「作業中に梯子から落ちた」「掘削機とぶつかって倒れた」など、昨年の産業災害で死亡した建設労働者の事故の類型がびっしりと書かれていた。

28日の「産業災害で亡くなった労働者追悼の日」を前に、産業災害で亡くなった建設労働者の魂を慰める慰霊祭が開催された。労働者たちは「元請けが安全の責任を負わなければ、繰り返される死は防げない」と口を揃えた。

ソウルの現代建設本社前で開催された労働災害で死亡した建設労働者の慰霊祭に、『生きて家に帰ろう』と書かれた黒い安全ヘルメットが置かれている。 ウ・ヘリム記者

民主労総・建設労組の組合員たちは、当日、黒い安全帽を被って慰霊祭に参加した。建設現場では実際には使用されていない黒い安全帽は、労働災害で亡くなった名前のない労働者を追悼するために作られた。「死の現場を命の職場へ」と書かれたヘルメットを被って、彼らは昨年産業災害で亡くなった267人の建設労働者に対して黙祷を行った。彼らが集まった現代建設では、2022年1月に重大災害処罰法が施行されて以降、13人の労働者が労災で命を失っている。

労働者たちは、繰り返される死を止めるためには、元請けの責任を重くすべきだと話した。建設労働組合京仁地域本部のチェ・ミョンスク組織局長氏は、「22日、23人の労働者が亡くなったアリセル事件の控訴審で、裁判所が事業主の刑期を15年から4年に減らした」とし、「重大災害処罰法が施行されてから4年が経過したが、死亡者は減らず、事業主も法を恐れていない」と語った。建設労働組合のカン・ハンス労働安全衛生委員長は、「黄色封筒法(労働組合法第2・3条改正案)が可決された後、多くの下請け労働者が元請けとの交渉を求めているが、元請けは拒否している。」「下請け労働者の安全に責任負うべき元請けが『管理責任がない』として、責任を回避している」と話した。

23日、ソウルの現代建設本社前で開催された産業災害で死亡した建設労働者の慰霊祭で、建設労働者が黙祷している。 ウ・ヘリム記者

この日の慰霊祭では、労災で亡くなった建設労働者・ムン・ヘヨンさんの娘も出席した。「父はヘルメットすら支給されないずに事故に遭った。」「最低限の安全対策があれば、父は今でも生きていたはずだ」とまぶたを赤くした。そして「誰かが今日も家族に、『行ってくる』と言って現場へ向かっただろう。」「その普通の挨拶が最後にならないように、建設現場は必ず変わらなければならない」と話し、震える手で祭壇の上に菊の花を置いた。

当日の慰霊祭では、舞踊家のイ・サムホンさんが追悼公演を行った。裸足でアスファルトの上に立ったイ・サムホンさんは、白い菊の花束を胸に抱え、作業靴と安全帽を積み上げて作った『追悼の墓』の前に立った。イ・サムホンさんが抱えていた花束を砕くと、白い花びらが作業台の上に落ちた。慰霊祭が行われている間、ヘルメットの上に差し込まれた線香が消えることはなかった。

ソウルの現代建設本社前で開催された産業災害で死亡した建設労働者の慰霊祭で、作業帽と作業靴を積み上げて作られた追悼の墓が設けられている。 ウ・ヘリム記者
ソウルの現代建設本社前で開催された「産業災害で亡くなった建設労働者の慰霊祭」で、イ・サムホン舞踊家が追悼公演を行っている。 ウ・ヘリム記者

2026年4月23日 京郷新聞 ウ・ヘリム記者

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