『重大災害トラウマ対応』労働部指針、初めて策定/韓国の労災・安全衛生2026年03月03日

雇用労働部が重大事故発生時のトラウマ予防のための対応指針を策定したことが確認された。労働部がトラウマに関する指針を作成したのは今回が初めて。重大災害による身体的な損傷だけでなく、心理的な外傷までを労災の予防・管理対象に含めるという趣旨と解釈される。
労働部などによると、労働部産業安全保健本部は今年1月6日に『事業場における重大災害トラウマ対応指針』を策定した。今までは労働部傘下の安全衛生公団が作成した「職業トラウマ管理マニュアル」程度しかなかったが、労働部の本部レベルで、関係主体毎の役割と業務を体系的に明示した指針を提示したのは初めて。労働部の関係者は「昨年11月の蔚山火力発電所崩壊事故など、大規模な事故が続いたことから、体系的にトラウマに対応するための指針を策定した」と説明した。
災害発生前に担当者を指定し、発生時にはトラウマ対応チームを運営
この指針は、産業安全衛生法上の「重大災害」(第2条)と「重大産業事故」(第44条)、更に、重大災害処罰等に関する法律(重大災害処罰法)上の「重大産業災害」(第2条)が発生した事業所に適用される。
産業安全衛生法上の重大災害は、△死亡者が1名以上出た災害、△三ヶ月以上の療養が必要な負傷者が同時に2名以上出た災害、△負傷者または職業性疾患者が同時に10名以上出た災害である。重大産業事故とは、△労働者が死亡または負傷する可能性のある漏洩・火災・爆発事故、△近隣住民が人的被害を受ける可能性のある漏洩・火災・爆発事故を指す。重大災害処罰法上の重大産業災害は、同一の有害要因によって急性中毒症の職業病者が一年以内に3名以上発生した場合などである。
適用対象の範囲は、一次被害者の被災当事者だけでなく、二次被害者である死亡や負傷を目撃した人や同僚労働者(下請けを含む)、遺族、事故処理担当者(安全・保健管理者等)も含まれる。
対応指針は、できるだけ重大災害発生直後のトラウマに対応することを基本原則としている。重大災害が発生した際、初期段階での迅速な事故対応と収拾が最優先であると同時に、事故による心理的外傷への対応も重要であるという認識に基づくものである。
特に、段階的なプロセスを体系化し、専任者の指定など、責任主体を明らかにした点が目立つ。重大災害トラウマへの対応は大きく「発生前・発生時・発生後」の三段階に分かれる。発生前に、労働部は専任の監督官を、団体は専任者を指名し、関係機関と協働体制を構築する。災害発生時にはトラウマ対応チームを別途編成・運営し、労働部・安全保健公団・職業トラウマセンター(労働部と公団が委託運営)が主体別に業務を遂行する。発生後は、トラウマ相談のモニタリングや相談実績の管理などを行う。職業トラウマセンターのカウンセラーがプログラムに沿って相談を行い、高リスク群に該当する場合は、病院での診療と連携し、労災申請の手続きを案内する。
トラウマのハイリスク群は 病院診療との連携
事業所へのプログラム参加案内・促進
これまで重大事故が発生しても、事故処理の過程で労災トラウマの問題は見過ごされてきた。昨年6月にキム・チュンヒョンさんの事故が起きた後、韓電KPSがトラウマ相談を受けている同僚労働者に業務復帰命令を出し、論争となった。対応指針の不在などに起因する盲点も存在した。昨年4月、京畿道光明市の新安山線地下トンネル崩落事故の翌日に救助された20代の掘削機のオペレーターは、<毎日労働ニュース>とのインタビューで「トラウマの相談・治療の案内が受けられなかったため、自分で調べた結果、職業トラウマセンターの相談を受けることができた」と語った。
今回の対応指針の策定により、これらの問題はある程度解消されると見通されている。指針には、労働部が事業所に対し、職業トラウマセンターが提供するトラウマ相談プログラム(集団教育・心理検査・個別相談・追跡管理)に従って対象者の参加を案内・促し、相談参加に伴う不利益が生じないように積極的な支援を要請する旨の公文書を送付する旨も含まれている。対象者名簿と相談場所を確保すべき主体も明示し、責任を明確にした。労働部の関係者は「労働部の監督官、公団、職業トラウマセンターに指針を配布した後、指針通りに適切に動くようモニタリングしている」と話した。
2026年3月3日
毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=232956


