宅配労組「早朝配送禁止の主張ではなく、過労死を防ごうと」/韓国の労災・安全衛生2025年11月17日

最近『早朝配送廃止』非難の中心に立っている宅配労組が、「早朝配送が(現行通り)維持されるべきだ」という主張に反論した。労組は「過労問題に最も大きな責任があるクパンが答えなければならない」と話した。
宅配労組は17日の記者会見で、「私たちは早朝配送を禁止しようという主張をしたことはない。」「持続可能な早朝配送によって消費者の便益を実現するためにも、過労死防止対策を含む新しい早朝配送システムを作らなければならない」と話した。彼らは早朝配送が必要な品目を別途に定め、健康を脅かす夜間労働を縮小していこうと言った。
当初『早朝配送廃止』と誤って伝えられた労組の主張は、0~5時の超深夜時間の配送を制限しようということだ。労組によると、2020年から現在までに死亡したクパンの労働者は25人、この内、過労死と認定されたり推定される人数は17人だ。2022年のクパン本社の労災率は5.92%で、国内全体労災率(0.65%)の9倍以上だった。
労組は深夜時間の配送を禁止することは、事実上の明け方配送の廃止ではないかという疑問に関して「健康に深刻な脅威になる夜間労働を縮小し、早期出勤組(週間一組)と午後出勤組(週間二組)を分けて、働き口を維持しようということ」と話した。その場合、早朝配送物量の消化が可能かという指摘には、「早朝配送に必須な品目を定め、敢えて早朝に配送しなくてもよい品目は、昼間配送に転換すれば可能だ」と話した。日本のように、急いでいない配送を選択する消費者には割引をするやり方で、自発的な参加を誘導できるということだ。
早朝配送労働者の雇用が消えるのではないかという憂慮には、「夜間配送を最小化し、早朝配送運転手が昼間に働けるようにシステムを変えようということ」で、かつて地方自治体の環境美化員、現代自動車の労働者が、雇用と賃金は維持したまま昼間勤務に切り替えた先例を示した。
クーパンロジスティクスサービス(CLS)は他の宅配会社とは異なり、宅配労働者が分類作業をするが、一日に平均2.6時間をこの作業に使っている。また、CLSの宅配労働者は多回転配送をしなければならず、配送の締め切り時間があり、宅配保管カバンの回収・返却もしなければならない。クパンが定めた目標を達成できなかった代理店から配送区域を回収する制度も存在する。クパンは国会の聴聞会などで改善を約束したが、未だ守っていない。
労組は「過労問題に最も大きな責任があるクパンが答えるべきだ。」「クパンはこれ以上先送りにせず、宅配労働者の過労問題に解答を出さなければならない」と話した。
政府と国会には「労働者の生命と健康を守り、過労を防ぐための法案を作るべきだ」とし、宅配労働者には、「労組が提示した過労死防止対策を調べ、社会的な合意妥結に力を入れて欲しい」と話した。
2025年11月17日 京郷新聞 チェ・ソウン記者


