2025年国際労働者追悼の日:デジタル化と人工知能の時代における労働者の権利の保護/2025年4月23日 国際労働組合総連合(ITUC)
国際労働組合総連合(ITUC)は、今年の国際労働者追悼の日(Workers’ Memorial Day)、4月28日を機に、デジタル化と人工知能(AI)の時代における労働者の生命と権利を保護するための緊急の行動を呼びかける。
AIは、前例のない速さで働き方の世界を根本から変革している。しかし、イノベーションの約束の陰には、より暗い現実が潜んでいる。アルゴリズムによる管理、常時監視、達成不可能な生産性目標、そして危険な労働環境である。技術は、労働条件や安全の向上ではなく、それらを搾取するために利用されており、命と健康を危険にさらしている。
- AIを活用した管理は、すでに世界中の4億2700万人の労働者に圧力を強めている。
- 大企業の80%がAIを活用して個々の労働者の生産性を追跡している。
- 労働者は、絶え間ない監視、現実的な目標の欠如、技術の利用方法への意見反映の欠如により、燃え尽き症候群、傷害、耐え難いストレスに直面している。
「倉庫から病院、配送バイクからデータラボまで、労働者はかつてないプレッシャーにさらされている。新たな技術の導入は、職場における他の変化と同様に、労働者の権利を尊重する必要がある。労働者には協議を受け、参加する権利がある。この基本的な民主的な職場の権利は、AIの活用が安全、公平性、尊厳を核に設計されることを保証する。労働者と労働組合は、すべての者の利益のために意思決定の場に参加する権利をもたなければならない」。
労働者とその労働組合との適切な協議なしにAIを含む新たな技術を導入することは、すでに世界中で深刻な問題を引き起こしている。
- フィリピンで、19歳の食料配送ライダー、ジャスパー・ダルマンがフードパンダで働いていた際に死亡した。彼の労働組合であるRIDERS-SENTROは、彼の死がアルゴリズムによる搾取がもたらす致命的な結果を浮き彫りにしたことで、承認と保険の権利を獲得した。
- トルコでは、テルスに雇用されていたティックトックのコンテンツモデレーターが、非人道的なAI管理の作業負荷とトラウマを引き起こすコンテンツに対して組織的に反対したため解雇された。
- アメリカでは、プラットフォームを通じて働く看護師が、労働者保護を回避するAI制御のシフトアプリに直面し、自身と患者にとって危険な状況を生み出している。
ITUCは以下のことを要求する。
- 職場におけるAIの設計と導入への労働組合の完全な関与
- 権利と安全を尊重する、透明性があり、人間中心のテクノロジー
- デジタル経済におけるすべての労働者を保護するためのプラットフォーム労働に関する拘束力のあるILO条約の採択
4月28日、私たちは亡くなった人々を偲び、生きている人々のために闘う。技術はわれわれのために働くべきであり、われわれに対して働いてはならない。
ITUCの新たな報告書「人工知能とデジタル化:労働者の生死にかかわる問題」は、労働者との協議なしにこれらの技術が導入された際に生じる身体的・心理社会的危害を確認している。
キャンペーン資料を確認していただきたい。
→https://trello.com/c/u79i8Ehf/347-international-workers-memorial-day-28-april-2025 [安全センター情報7月号表紙のポスターもここで入手可能]
※https://www.ituc-csi.org/International-Workers-Memorial-Day-2025
安全センター情報2025年7月号