労災被災労働者を泣かせる『疫学調査の長期化』・・・昨年平均635日で過去最長/韓国の労災・安全衛生2024年09月23日

昨年10月4日、共に民主党のウ・・ウォンシク議員(現・国会議長)とパノリムが、疫学調査の遅延に対する国の責任を追求する記者会見を行っている。/パノリム提供

勤労福祉公団が、昨年に結論が出た労災疫学調査の結果を、調査機関から受け取るまでにかかった期間が、疾病1件当たり平均634.6日であることが確認された。これは歴代最長の所要期間だ。疫学調査の長期化で、調査中に亡くなった労働者は、2018年から今年の上半期までに140人を越えた。

共に民主党のパク・ヘチョル議員が22日に勤労福祉公団から受け取った資料によれば、勤労福祉公団・職業環境研究院と産業安全保健公団・産業安全保健研究院の疫学調査の処理期間がますます長くなる傾向だ。

産業安全保健研究院が昨年結論を出して、勤労福祉公団に返信した疫学調査にかかった期間は平均952.4日で、2018年(385.9日)の2.5倍長くなった。職業環境研究院は、588.1日で、2018年(211.8日)より2.8倍ほど長くなった。

労働者が職業病で労災申請をすると、勤労福祉公団は業務と疾病の因果関係を調べる災害調査を行い、必要な時には疫学調査を依頼する。新規・希少の職業病と大規模疫学調査は産業安全保健研究院、残りの一般的な疫学調査は職業環境研究院が担当する。

両機関の疫学調査期間を総合した数値を年度別に見ると、2017年は178.4日、2018年は232.8日、2019年は236.1日、2020年は295.5日、2021年は405.4日、2022年は465.7日、昨年は634.6日だった。今年の上半期は640.1日で、長期化傾向が続いている。

疫学調査の長期化で、労働者が労災承認を待つ間に亡くなる事例も次々と発生している。職業環境研究院の基準で、疫学調査が進行中の死亡者数は、2018年から今年6月末までに全部で144人だった。

疫学調査の長期化は、昨年の雇用労働部の国政監査で主要な懸案として扱われた。当時『疫学調査長期化の被害者』として紹介された、サムソンディスプレイの研究労働者のチェ・ジンギョンさん(死亡当時49才)は、昨年11月、ついに労災を承認されないまま、乳ガンで亡くなった。チェ・ジンギョンさんは生前、国会・環境労働委員会に送った手紙で「何を調査するのに4年も必要なのか。人手不足はさておき、職務遺棄のようだ」と記した。

勤労福祉公団は、新しい有害要因と希少疾患など、疫学調査が必要な疾病が増えているのに対して、人材がは足りないのが疫学調査の長期化の原因だと説明する。労働部は2月に労災保険制度の特定監査結果を発表し、集中処理期間を運営することで、長期の未処理の件の解消、人材運営改善などを、疫学調査の長期化対策として示した。しかし、未だに疫学調査期間が減少する兆候は現れていない。

パク・ヘチョル議員は、「遅くなった正義は正義ではない。労働災害の被災労働者が、疫学調査の結果を待っている間に亡くなることが繰り返されないよう、労働部が前向きな案を作らなければならない。」「低所得の労災被災労働者が、労災が承認されるまでの治療費を作れず、健康が更に悪化することを防止するための対策も必要だ」と話した。

2024年9月23日 京郷新聞 キム・ジファン 記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202409221110001