「生命安全基本法」に野党・労働市民社会団体が力を合わせる/韓国の労災・安全衛生2024年09月20日
今年も惨事が続いている。6月に京畿道華城のリチウム電池工場のアリセルで、23人が火災で命を失った。生命安全基本法の制定を求める声が高まっている。基本法を制定して遺族と生存者など、惨事の被害者の権利を包括的に明示するべきだという主張だ。
セウォル号や梨泰院など、数十、数百人が命を失った社会的な惨事の様相は似ている。企業・地方自治体・捜査機関などの協力が上手く行われず、迅速な救助に失敗し、惨事が起きる。アリセル惨事でも明らかになったように、情報を伝達する体系がなく、国に対する被害者の不信が大きくなる。被害者たちは真相究明と再発防止対策を要求して街頭に出て、厳しい闘いを始める。
惨事被害者と労働・市民社会団体は『安全な権利』の概念を骨格とする生命安全基本法を制定し、被害者の権利と、国・企業などの責任を規定しようと主張してきた。法案が定義する安全権は「日常生活と労働現場で、安全事故の危険から生命・身体・財産を保護され、安全に生きる権利」だ。安全権を侵害された被害者に対して、国は客観的で専門的な調査を実施し、企業は惨事の復旧のために積極的に取り組むべきだ、という内容が盛り込まれた。
この法案は、共に民主党のウ・ウォンシク国会議員が21代国会で代表発議したが、まともに議論されずに廃棄された。野党は第22代国会で再び法制定推進の意志を明らかにしている状態だ。民主党・祖国革新党・進歩党・基本所得党・社会民主党などの野党五党で構成された「国会生命安全フォーラム」が7月にスタートした。
民主党のパク・ジュミン議員は20日に国会議員会館で開かれた生命安全基本法制定のための専門家セミナーで「法案を再び発議するための委託研究を発注した。」「今ある法を分析し、補完しようと思う」と明らかにした。オ・ジウォン弁護士は「企業には免罪符を、被害者である国民には『事故は運がなくて遭うもの』という無力感を与える文化が持続している」とし、「根本的なパラダイムを変える法の制定は、社会文化と慣行に影響を与える」と強調した。セミナーは国会生命安全フォーラムと生命安全市民ネットが共同で主催した。
2024年9月20日 毎日労働ニュース カン・ハンニム記者
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