サムソン、労働者に被爆事故をきちんと知らせない/韓国の労災・安全衛生2024年09月03日
5月27日にサムソン電子器興事業場で放射線被爆事故が発生した当時、サムソン電子が現場にいた労働者に、事故の経緯と今後の措置などをきちんと知らせなかったと労組が反発した。サムソン電子は事故発生から一ヶ月も経って、被爆の可能性がある労働者を把握していたことが判った。
3日に全国サムソン電子労働組合(全サム労)と「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)が声明で、「重大な放射線被爆事故の当時、現場には整備作業者の他にも、清掃・物流・装備業者など、協力業者所属の多くの労働者がいたが、サムソン電子は彼らに被爆の可能性を知らせなかった」と主張した。
全サム労によれば、労働者二人が基準値の最大188倍を超える(原安委の推定値)放射線に被爆する事故が発生した後、周辺にいた労働者には、事故の経緯や今後の措置などを全く知らせていなかった。現場には、少なくとも10人以上のサムソン電子と協力業者の労働者がいた。
このため、労働者は自分たちが被爆した可能性を約一ヶ月後に知ることになった。それさえも、原安委が当時の閉回路テレビ(CCTV)を点検して、事故の場所の周辺にいた人たちの健康診断を要請したものだった。パノリムは「協力業者の関係者に対しては、保安カメラの映像を見せて身元の確認はしたが、放射線の被爆に関連があることについては知らせなかった」と話した。このような過程で、被爆の可能性があるとされた労働者12人は、サムソン電子の社内病院で採血検査を受け、7月初めに『異常所見なし』という結果を電子メールで通知された。
パノリムのイ・ジョンラン活動家(労務士)は、「事故発生の直後はもちろん、採血検査の後でも、不安な労働者に何の説明もしなかった。」「サムソン電子は労働者に隠すことなく事故の経緯を明らかにし、精密検査と持続的な事後管理をするべきだ」と話した。韓国原子力医学院のチン・ヨンウ元国家放射線非常診療センター長は、「近くにいた労働者の被爆の可能性は低いと想われる」としながら、「採血検査で異常がなくても、追加的に生物学的な線量評価をすることが、(労働者の)心理的な安定のためや、他にも問題があるかを把握するために良いだろう」と話した。
2024年9月3日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者