新型コロナウイルス感染症などのワクチン副反応の労災補償/厚労省●国会質問からQ&A改善へ
5月13日、衆議院の決算行政監視委員会第三分科会で、立憲民主党の阿部とも子議員が新型コロナのワクチン接種の副反応について質問した。4億3600万回接種で、副反応疑いが3万7051件、うち重篤なものが8,988件、死亡は2,193件と報告されている。
阿部議員の質問によって、早速厚生労働省はホームページの労働者の方向け新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aを改善することになった。
具体的にはまず、「4 労災補償」の問10の回答に「なお、上記の医療従事者等・高齢者施設等の従事者以外の労働者に係るワクチン接種については、当該ワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、事業主からの業務命令によるものか否かなどを調査した上で、労災保険給付の対象となるか判断することとなります」を追記した。
また、問12の回答として、「予防接種健康被害救済制度における給付を受けていたとしても、労災保険給付を受けることは可能です。/問10に示した考え方に基づき、労働基準監督署において、労災保険給付の対象となるかを調査し、判断することとなります」を新設した。
企業の方向けQ&Aの「5 労災補償」の問10及び問12の回答も同様の内容になった。
新型コロナウイルス感染症による労災はもとより、医療従事者以外でもワクチン接種による副反応で労災がうけられることもあると厚生労働省に明示させたのは大きな成果だ。
文・問合せ:東京労働安全衛生センター
安全センター情報2024年7月号