貨物連帯本部の組合員、今月だけで10人死亡/韓国の労災・安全衛生 2024年05月29日

公共運輸労組貨物連帯本部は29日、ソウル駅前で記者会見を行った。/チョン・ソヒ記者

貨物労働者に適正運賃を保障して、過労・過積載・スピードの出し過ぎを防ぐ安全運賃制が消え、貨物労働者の死の行列が続いている。国土交通部が安全運賃制の代わりに推進した標準運賃制は、適正運賃を支給しなくても荷主を処罰せず、事実上無用の長物だと指摘されている。

公共運輸労組貨物連帯本部は29日、ソウル駅前で記者会見を行い「政府は安全運賃制を全車種・全品目に導入せよ」と要求した。2020年から三年間の「日没制」で施行された安全運賃制は、コンテナとセメント貨物労働者に一種の最低運賃を保障する制度だった。運賃は運行時間と距離、危険物の有無と重量によって割増率が算定され、荷主や運送会社はこうして決められた運賃を支給しない場合、過料を賦課された。国土部は安全運賃制が「日没」になると、代わりに標準運賃制を導入するとしたが、標準運賃制は荷主処罰の条項がない。国土交通部は先月から公益委員6人、荷主代表3人、運送会社代表2人、貨物車主代表2人で構成された標準運賃委員会を稼動させ、本格的な標準運賃制の導入に乗り出した。標準運賃委員会は標準運賃を決める原価構成項目と方式などを議論して決める予定だ。

貨物労働者は安全運賃制の日没後、貨物労働者の労働強度が高まったと証言した。ユン・チャンホ釜山地域本部長は「5月の一ヶ月間に組合員10人が死亡した。」「きちんと休むこともできず、一度もまともに寝ることもできず、無理に働いた結果、事故や心血管疾患で組合員が死んでいる」と訴えた。

政府の標準運賃制が役に立たないという指摘も提起された。連帯本部のキム・ドングク委員長は「政府が推進する標準運賃制ガイドラインは、法的な制度でもなく、指針に過ぎない上に、荷主への処罰条項がなく、強制力もない制度」で、「貨物連帯本部は、安全運賃制の品目拡大のために6月15日に決議大会を行い、その日から総力闘争を始める」と警告した。

一方、この日の午後、ソウル駅の会議室で予定された標準運賃委員会の会議に先立ち、本部組合員30人が宣伝活動を行った。国土部の関係者など、委員たちは会議場に現れず、会議は予定より遅く始まった。

貨物連帯本部の組合員たちが29日午後、ソウル駅の会議室で、標準運賃委員会の委員たちを眺めている。/チョン・ソヒ記者

2024年5月29日 毎日労働ニュース チョン・ソヒ記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=221813