労災認定事故死亡者が62人減少、事故死亡万人率は初の0.3台に/韓国の労災・安全衛生2024年04月30日

資料写真/チョン・ギフン記者

2023年の労災承認事故死亡者が前年より62人減少した812人と集計された。事故死亡万人率は0.39で、初めて0.4を下回った。政府は2022年末に発表した重大災害削減ロードマップによる危険性評価の拡大効果だとして自賛し、「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)の施行効果は否認した。

建設業事故死亡者46人減少し、運輸・倉庫・通信業が111人増加

雇用労働部が『2023年遺族給与承認基準事故死亡現況』を発表した。昨年、勤労福祉公団が遺族給与を承認した件数を集計した統計で、2023年以前に発生した事故も集計されている。

874人だった2022年の事故死亡者と比較すると7.1%の減少だが、2021年の事故死亡者が828人だったことからみれば、大幅な減少ではない。事故死亡万人率が0.39で、0.3台になったのは初めてだ。2014年からの事故死亡万人率は0.4~0.5台で停滞していた。

業種別の事故死亡者数をみると、建設業が356人(43.6%)で最も多く、製造業(165人)、サービス業(140人)、運輸・倉庫・通信業(111人)が後に続いた。

前年対比で最も大幅に事故死亡者が減少したのも建設業で、46人減った。製造業とサービス業はそれぞれ19人、10人減った。ほとんどの業種で減ったが、運輸・倉庫・通信業は、7人増えた111人を記録した。

専属性がなくても労務提供者として認められるようになった貨物車主の労災認定が影響した。前年度の貨物車主の事故死亡者は7人だったが、今年は20人と、13人増えた。運搬、上・下役と運転作業労働者が97人(87.4%)と、圧倒的な比率を占めた。運輸・倉庫・通信業の災害類型では、事業場外での交通事故死亡者が10人増え、77人と集計された。

全体的な死亡者の減少にも拘わらず、50人未満の事業場で死亡者が圧倒的に多い状況は維持された。5~50人未満の事業場が前年より70人減少して359人となり、全事業場の死亡者の44.2%に当たる。5人未満は278人(34.2%)を記録した。50人未満の事業所が死亡者全体の78.4%にもなっている。一方、50人以上299人以下の事業所の死亡者は130人(16%)、300人以上の事業所は45人(5.5%)を記録した。

「労災保険適用範囲拡大の影響」で労務提供者の事故死亡者が20人増加

全般的な事故死亡者の減少傾向にも拘わらず、労務提供者の事故死亡者は83人と、前年より20人増えた。職種別に見ると、クイックサービスの運転手が38人(45.8%)で最も多かった。運輸・倉庫・通信業(20人)と建設業(2人)に従事する貨物車主(22人)と、建設機械従事者(15人)が続いた。訪問販売員と代行運転手は、2022年には労災承認された死亡者はいなかったが、昨年はそれぞれ1人、4人に増えた。労働部は「雇用形態の変化と労災保険の適用範囲の拡大などによるもの」と分析した。昨年7月から、「特定の一つの業者だけに労務を提供しなければならない」という専属性要件が廃止された労災補償保険法が施行されている。

中小企業事業主の事故死亡者は8人で、2022年より2人増えた。中小企業事業主の労災保険加入は、2019年までは50人未満の事業場だけが可能だったが、2020年からは300人未満の事業場に拡大した。

事故多発三大類型に、事業場外での交通事故が初めて含まれたことも注目される。事業場外の交通事故は86人で、「落下」(286人)、「挟まれ」(88人)の次に続いた。

労働部の関係者は、「50人未満の事業場での死亡者が減少したもので、重大災害処罰法の影響ではないようだ」「2022年に重大災害縮小ロードマップが出て、危険性などの色々な対策をしたことが、複合的な影響を与えたと見られる」と解釈した。

労働部長官は「事故死亡万人率の初めての0.3台達成は、この間の簡単で手軽な危険性評価の拡散、積極的財政・技術支援、安全文化実践推進団などの安全文化・意識内在化の努力が、重大災害サイレンなどによる警戒心の向上と調和して達成された成果」と話した。

2024年4月30日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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