『三人一組』を黙殺・・・「五峰駅死亡事故、人手不足のせい」 2022年11月9日 韓国の労災・安全衛生
京畿道儀旺市の五峰駅で発生した鉄道労働者の死亡事故は、人手不足と不安全な作業環境のために起きたと主張された。該当の業務は、列車が運行されている中で、労働者が線路を行き来しながら列車を連結する作業なので、『三人一組』での勤務が必要だが、人材不足で『二人一組』での勤務が行われていた。鉄道労働者が人材補充など、根本的な対策作りを求めた。
8日、鉄道労組は記者会見を行い、自主的に調査した五峰駅の事故の経緯と、事故を防ぐための要求事項を発表した。労組の説明では、5日に五峰駅のセメント基地内で発生した労働者の死亡事故は、セメントの運送列車を連結・分離する『入換』の作業中に、列車が決められた方向に移動しなかったために発生した。A氏が線路転換機で列車が所定の線に進入するよう線路を変更した後、次の作業のために移動中だったが、機関車が別の線に入ってきてA氏とぶつかった。当時の作業は、機関車が貨車を前から引っ張る「牽引運転」ではなく、貨車の後ろから押す「推進運転」方式で、機関士はA氏を見ることができなかった。鉄道労組の関係者は「線路転換機がまともに作動しなかったのか、A氏が勘違いしたのかは分からない」と話した。
労組は、汽車がなぜ別の線路に進入したのかは分からないが、人員不足と勤務環境が改善されていれば防げた事故だと主張する。22万4790㎡の五峰駅のセメント基地内で、輸送員は15本の線路を行き来しながら汽車の連結・入換をするが、列車の移動状況を管制する施設がなく、輸送員と機関士は無線に頼って作業をする。15本の線路の間隔も狭く、輸送員が移動・作業する空間も足りない。こうした理由で、五峰駅では事故が頻発している。2014年には、コンテナの入換過程で輸送員が貨車の間に挟まって死亡し、2017年には、輸送員がトラックにはねられて大怪我をした。2018年には、輸送員の足首が貨車と線路の間に挟って切断された。
そのために労組は「三人一組」勤務を導入し、機関車が貨車を前で引くように作業方式を変更して欲しいと要求してきた。線路の連結・入換の要員を固定的に配置し、二人が列車の連結・分離の作業をするには三人一組が必須的だという主張だ。2017年の事故後、会社もこれを受け容れて三人一組を実施することにしたが、2020年に、十分な増員もなく、「三組二交代」から「四組二交代」に転換されて、二人一組での勤務が続いてきた。
鉄道労組の政策室長は「現場では人員不足で安全が脅かされているが、国土交通部はむしろ鉄道公社の定員を減らすよう圧力をかけている。」「国土部長官は『法と原則による厳正対処』ではなく、人員補充と設備改善のために何をするかの答を出すべきだ」と話した。
2022年11月9日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者