国会で奇襲デモ・・・学校給食労働者「肺がんで死にたくない」 2022年11月8日 韓国の労災・安全衛生
国会・予算決算特別委員会の全体会議が行われている中で、学校給食労働者たちが「学校給食室換気施設改善」を要求して、国会で奇襲デモを行った。
8日午後、調理師服を着た学校給食労働者16人が、国会議事堂の外部階段で横断幕を持って奇襲デモを行った。これらの労働者は階段で横断幕を広げ、「学校給食室労働者が死んでいく! 肺がん対策予算を用意せよ!」「このままでは死ねない! 学校給食室の問題を傍観する国会を糾弾する!」、「国会・予算決算委が責任を負え! 換気施設の改善予算を反映せよ!」「肺がんで死にたくない! 給食室の換気施設の改善案をまとめろ!」 などのスローガンを叫んだ。
しかし、すぐに国会警備と警察によって制止された。
国会の警備員と警察は「ここは集会が禁止されているところで不法集会」だとして、学校給食労働者たちと垂れ幕を間に言い争った。学校給食労働者は「やっとここまで来たのに、こうなのか。」「5人がまた死んだり死にかけている」と抗議した。制止される瞬間にも、一人の労働者は「このまま死ぬことはできない、排出基準を下方修正せよ」と叫んだ。
全国学校非正規職労働組合の首席副委員長は「私たちは学校で働く給食室の労働者だ。」「学校給食室で、子供たちの給食を丁寧に準備する給食労働者が肺がんで死んでいる。熱心に働いたという罪しかないのに、なぜ肺がんで死ななければならないのか、国会に来て、なぜこのように声を上げて叫ばなければならないのか」と嘆いた。続けて、「国会が責任を負うべきだ。」「換気施設改善の問題には、国会で予算を編成して、労働者がこれ以上死なないよう対策を立てるべきだ。人員を補充し、肺がん対策予算を編成すべきだ」と追求した。
9月14日現在、勤労福祉公団の学校給食労働者肺がん労災申請現況によれば、労災申請した79件の内、50件が承認され、21件は関連性について調査が進んでいる。こうしている内にも、労災認定を受けた5人の学校給食労働者が肺がんで亡くなった。
調理の際に発生する調理ヒュームは、世界保健機関(WTO)傘下の国際がん研究所(IARC)でも認める発がん物質だ。この発がん物質は、特に団体給食で、天ぷら、炒め物、焼き物などの調理をする時に多く発生する。何よりも、学校給食室は換気施設をきちんと備えていないことが多く、問題になっている。肺がん対策として、雇用労働部が『学校給食調理室換気施設ガイドライン』を提示しているが、予算などの理由で、換気施設を改善する教育庁は一部に過ぎないと伝えられた。これに対して労組などは、予算を編成し、学校給食室の換気施設の改善を要求している。
一方、学校非正規職連帯会議(全国学校非正規職労働組合・教育公務職本部・全国女性労働組合)は、10日にストライキ賛否投票の結果を発表する。連帯会議は25日、学校給食の環境改善などを要求して全面ストライキを行う計画だ。
2022年11月8日 民衆の声 イ・スンフン記者