自殺労災の認定率、最近になって急落 2022年10月24日 韓国の労災・安全衛生
業務上自殺に対する労災承認率が昨年から急落した。勤労福祉公団が労災審査で厳しい基準を提示したために、被害労働者とその家族を保護できていないと指摘される。
国会・環境労働委員会のイ・スジン「共に民主党」議員によると、2019年に65.3%、2020年に70.1%と上がった業務上自殺に対する労災承認率が、昨年は55.7%と15%下がった。 今年は6月までに54.3%を記録し、昨年とほぼ同じ水準を維持している。
承認率が下がった理由としては、勤労福祉公団の精神疾患労災の調査・判定の不適切性が挙げられる。公団はソウル業務上疾病判定委員会で一括処理していた精神疾患事件を、2019年下半期から他の地域の疾病判定委員会にも分散した。統一された精神疾患の審議・判定指針がないため、疾病判定委別に承認の可否がまちまちだ。最高裁を含む司法府は、自殺に至るほどの業務上の理由に対する判断基準を被災者基準に合わせるが、公団は一般人・平均人の観点から判断するケースがしばしばある点も問題として挙げられる。
公団と司法府の判断が食い違う状況で、不承認とされた遺族たちは裁判所のドアを叩いている。公団の労災不承認を不服として行政訴訟を提起した業務上自殺件数は、2020年の29件から昨年32件、今年9月までに40件と、次第に増加している。今年裁判所で確定した事件は7件だが、この内、公団が敗訴したのは4件になる。不承認の判定が裁判所で覆されたということだ。
イ・スジン議員は「公団が、最高裁よりも消極的なやり方で業務上死亡の因果関係の物差しを適用するために、自殺労災の承認率が低いと見られる。」「迅速で公正に補償するという労災補償保険法の目的に合わせて制度を運用するように、最高裁が提示した原則に合うように、難しい承認基準を再整備すべきだ」と話した。
2022年10月24日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者
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