感情労働者の80%は「週一回以上の権利侵害」を経験/釜山市、権益保護基本計画を樹立 2022年8月24日 韓国の労災・安全衛生
権益委の構成・支援センターの設置・労働環境の改善などを推進
釜山市が感情労働者の保護に取り組む。釜山市は感情労働者保護制度を定着させ、民間への拡大を誘導するために「感情労働者権益保護基本計画」を樹立したと明らかにした。
感情労働は、顧客応対などの労働の過程で、自身が実際に感じる感情とは異なる特定の感情を表現するように、業務上、組織上、要求される労働形態をいう。このような労働をする釜山地域の感情労働者は、2021年に52万6000人だ。釜山地域の労働者165万1000人余の31.9%に達する。
昨年、釜山地域の感情労働者2000人を対象に行った実態調査によれば、感情労働者の80.2%が、週1回以上、顧客から侮辱的な非難、悪口、威嚇、セクハラなどの権利侵害を受けていると答えた。釜山市の関係者は、「感情労働者の権利が深刻なレベルで侵害されているが、大部分の事業場では、労働者を保護する予防対策と事後の管理体系が不十分であることが明らかになり、権利保護のための基本計画を樹立することになった」と説明した。
今回の基本計画は、業務中に被った身体的・精神的被害を解消できず、死角地帯に置かれている感情労働者のための社会安全網の拡充を目標にしている。また、零細事業場への支援によって、労働者と企業が良い環境で共生できる体系を構築し、感情労働者が健康で安全に働ける労働環境の実現を目標に立てた。
細部的には、感情労働者保護基盤の構築、感情労働者の保護支援の強化、感情労働者の保護制度の拡大などの3分野、12の実践課題に設定した。課題実践のために、2026年までに計36億9000万ウォンを投入する予定だ。
先ず、感情労働者保護基盤の構築のために、感情労働者のための新規の委員会を構成・運営し、感情労働者権益支援センターを開所する。感情労働者保護優秀事業場を選定し、様々な支援によって民間への展開に取り組む。
感情労働の保護・支援強化のため、民間事業場に休憩施設を設置・補修し、労働者保護物品(録音装備など)などを支援する。オーダーメード型の業務説明書を配布し、労働コミュニティ支援なども行う計画だ。感情労働保護制度の展開のためには、心理・労働・法律などの相談支援、集団相談・瞑想ヨガなど、心理治癒プログラムの運営、関連機関との協力体系の構築などに努める。
特に、釜山市が零細事業場と感情労働者保護協約を締結し、協約締結事業場に休憩施設の設置、物品の提供等によって感情労働者の健康権保護を重点に、その先頭に立つ方針だ。パク・ヒョンジュン釜山市長は「大部分の感情労働者が低賃金、非正規職など、死角地帯に置かれた脆弱階層であり、サービス業の比重が大きくなって感情労働者数も増加するだろう」、「今回の計画を細かく推進し、感情労働者の権益侵害を最小化する一方、保護体系の定着に公共機関が先頭に立って、民間にまで拡大するように努力する」と話した。
2022年8月24日 京郷新聞 クォン・ギジョン記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202208240852001