消防士・警察官「公務上災害の認定」が容易に 2022年5月18日 韓国の労災・安全衛生
消防士と警察官などが業務中に病気に罹ったり殉職した場合、公務上災害と認められる道が、以前より容易になるものと見られる。
17日、国会と全国消防安全公務員労組によれば、公務上災害の立証責任を国が負担するようにした公務員災害補償法の改正案が16日、国会・行政安全委員会の全体会議を通過した。
公傷推定法と呼ばれる改正案は、血管肉腫癌の診断を受けて、闘病中に亡くなった故キム・ボムソク消防士の事件を契機に、立法議論が起こった。遺族は火災現場で発生する有害物質に曝露して癌に罹ったと主張したが、公務員年金公団は、火災鎮圧中に疾病に罹ったという根拠がないとして補償を拒否した事件だ。故人は裁判を経て、2019年9月に補償を受けた。
公傷の認定に長くかかった原因の一つとして、立証責任を公務員に負わせていることが挙げられる。公傷と認められるためには、公務と災害の間に相当な因果関係があることを被災者が立証しなければならない。労災の立証責任を労働者に賦課するのと類似した形態だ。
行政安全委の全体会議を通過した改正案は、公傷の立証を国がするようにした。消防士、警察官、郵政職・環境職の公務員が、公務を遂行中に、疾病で障害を負ったり死亡した場合、ひとまず公務上災害と推定することにした。公傷でないとするには、その因果関係は国が明らかにしなければならない。公傷と推定する疾病は施行令で定める。公務上の負傷が業務中の事故で発生したことが明らかであれば、公務員災害補償審議会の審議から除外することにし、手続きを簡素化した。
労組は改正案の国会本会議通過を追求した。この日の声明で、「公傷推定制度が導入されれば、国民の安全と生命と守るために、有害物質や危険要因に曝露し、重症疾患に苦しめられながら火災と戦っている消防公務員に、大きな慰労と安心を与えることができるだろう」。「早急に施行するように、与野党は国会・本会議を通過させなければならない」と強調した。
2022年5月18日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=208960