<各地の便り>那覇で定期総会・相談会開催 沖縄●地元の中皮腫患者さんが講演

2020年1月26日、那覇市久米の沖縄青年会館において第14回アスベストユニオン定期大会が開催された。沖縄での大会は初めてのことであり、組合員、役員が全国から結集した。
沖縄とアスベストとの関係は、よく知られている問題としては基地労働者のアスベスト曝露が挙げられる。沖縄には、1972年以前の日本復帰前に離職した基地従業員がいるが、そのアスベスト健康被害に対してはアメリカに労災請求し、死亡した労働者については、遺族に対して特別遺族給付金が支給されることになっている。この件は全駐留軍労働組合が積極的に取り組んでいるようで、地元紙を検索するとその活動がしばしば報告されている。
しかし今回は、より広く石綿による健康被害を考えるために職業曝露の経験がない中皮腫患者の方にご講演いただいた。「腹膜中皮腫闘病15年南の島・沖縄から」というタイトルで、登壇された鹿川真弓さんは、2004年、26歳のときに腹膜中皮腫と診断を受けている。鹿川さんは、1年9か月の抗がん剤治療ののち、2007年に県外の病院で卵巣や子宮などを摘出する手術を受けた。2017年にも再発による再手術を経験し、不安と絶望に苛まれる中でも、小さな幸せを探しながら前向きに楽しく生きていこうと説いた。
講演前に先立ってアスベスト健康被害相談会を設け、中皮腫サポートキャラバン隊右田孝雄さんらが対応した。
定期大会では、全国で続くアスベスト健康被害に対する企業責任の追及について議論した。補償額の多寡はあるものの、死亡労働者を含めて被害に対する補償について真剣に検討する企業がある一方、ニチアスのように代理人任せで法廷でしか解決しようとしない企業や、交渉に応じても解決をめざそうとしない日立製作所のような企業もある。このような企業への追及を緩めずに闘っていくことを一同確認した。

アスベスト・ユニオン