海で毎年100人余りが死亡する漁船員、労使政が法・制度改善に合意を宣言 2021年11月24日 韓国の労災・安全衛生
労・使・政が漁船員の産業災害事故を防止し、劣悪な労働環境を改善するために、法・制度を改善することに合意した。漁船員は毎年産災事故で100人余りが死亡し、製造業に比べて産災率が10倍も高いのに、この間、大きく注目されることはなかった。
経済社会労働委員会傘下の漁船員雇用労働環境改善委員会は24日、経社労委の大会議室で『漁船員の安全・保健保障と労働環境改善のための合意文』宣言式を行った。昨年4月に京郷新聞の企画報道<海の上の『金鎔均』>によって漁船員の産災の実態が知らされた後、1年余りの論議の末に出た合意文だ。 漁船員の産災率は7.6%で、製造業(0.7%)、建設業(1.1%)に比べても飛び切り高い。
労・使・政は、すべての漁船に対する産業安全保健体系を海洋水産部が管轄するように、漁船安全操業法を改正することにした。この間は、20トン未満の漁船の労働者は勤労基準法と産業安全保健法の適用対象で雇用労働部の管轄、20トン以上の漁船の労働者は船員法の適用対象で海洋水産部の管轄に分けられていた。同時に、漁船員に勤労基準法と船員法の勤労時間・休憩時間・休日関連の規定は適用されず、長時間労働の原因になるということに問題意識を持って、20トン未満の漁船の労働者に対しても船員法を拡大適用することにした。船員法は操業の時期によって一年未満の労働を主にする漁船員職種の特性を反映して、勤労契約と労働条件、賃金などに関して規定している。
改正案には、有害・危険から漁船員が保護されるように、漁船所有者の安全・保健措置の遵守義務、政府の義務と管理・監督権限も入れる。労・使・政は、今後、協議会を通して海水部所属の船員勤労監督官を増員し、これとは別に、漁船の安全を担当する漁船安全監督官を新設する方案も検討する。2019年現在、全漁船6万5835隻の内、20トン未満が95.6%(6万2953隻)、20トン以上が4.3%(2882隻)だ。
労・使・政は長期的な観点から、漁船員の暮らしの質の向上と持続可能な漁村生態系構築のために、漁船員と漁船災害審査制度の改善、休漁期などにともなう生活安定支援金の支給、雇用の改善と福祉体系の構築も、協議体を通して持続的に議論することにした。
漁船員雇用労働環境改善委のチョン・ヨンウ委員長は、「今日の合意は年間100人余りが死亡する『漁船安全後進国』の汚名を雪ぐための出発点として、意味が大きい」とし、「今回の合意を契機に、漁業現場で安全に対する認識を切り替えて、実質的な変化を目指して一緒に努力しよう」と話した。経社労委のムン・ソンヒョン委員長は、「安全な海を作るためには、法・制度の改善だけでなく、労・使・政の参加と意志が重要だ」として「労・使・政が同意をした以上、労・使の積極的な役割と政府の持続的な履行が重要だ」と話した。
2021年1124日 京郷新聞 イ・ヘリ記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202111241433001