改正職場内いじめ禁止法が施行、使用者への罰則・義務を強化。適用除外に問題残す 2021年10月14日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・キフン記者

職場内いじめに対する制裁条項が規定された改正勤労基準法が14日に施行される。使用者が職場内いじめの発生事実を認知しながら、調査しなかったり適切な措置を怠ると、過怠金が賦課される。いじめの加害者が社長や社長の親戚の場合にも、過怠金を払うことになる。

『職場内いじめ禁止法』と呼ばれる勤労基準法の条項は、2019年7月施行された。勤労基準法76条の2は、「使用者または勤労者は、職場での地位・関係などの優位を利用して、業務上の適正範囲を越えて、他の勤労者に身体的・精神的な苦痛を与えたり勤務環境を悪化させる行為をしてはならない」と規定する。同法76条の3は、職場内いじめ発生時の使用者の措置義務を明示している。

今までの勤労基準法は、職場内いじめ被害者と申告者に不利な処遇をした場合、3年以下懲役や3千万ウォン以下の罰金に処すが、他の措置義務違反に対する罰則は規定されていない。これによって、使用者が職場内いじめ発生時に関連の措置を執らなくても強制できないと指摘されてきた。

改正勤労基準法は、△職場内いじめ発生の事実確認のための調査、△勤務場所の変更・配置転換・有給休暇命令など、被害者に対する措置、△懲戒・勤務場所の変更など、加害者に対する措置義務に違反する場合、500万ウォン以下の過怠金を賦課する。職場内いじめの発生事実を調査した人、報告を受けた人に対する秘密保持義務も導入された。これに違反しても、500万ウォン以下の過怠金を払うことになる。

「家族会社で働いているので奥様が部長だ。部長の暴言が最も激しい。部長の声が聞こえると息をすることさえ苦しい。」

職場の甲質119がこのような内容のEメールによる情報提供を公開した。改正勤労基準法は使用者だけでなく、使用者の親戚が職場内いじめの加害者である場合、1千万ウォン以下の過怠金を賦課する。雇用労働部は7月に、過怠金賦課対象を使用者と使用者の配偶者、四親等内の血族、四親等内の親戚と明示した勤労基準法施行令立法予告案を公開した。小規模の家族企業での使用者と親戚によるいじめを防止できると予想される。

加害者が使用者や使用者の親戚でない場合は、職場内いじめ禁止法では処罰できない。職場の甲質119の関係者は「暴行は刑法と勤労基準法上の暴行罪、暴言・侮辱は刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪で処罰できる」と説明した。

勤労基準法は職場内いじめ関連条項を5人以上事業場に適用する。5人未満の事業場の労働者が職場内いじめに遭っても、加害者は処罰されない。勤労基準法上の労働者と認定されない特殊雇用労働者も法の枠外にある。

クォン・トゥソプ弁護士は「職場内いじめ禁止法を、5人未満の事業場と特殊雇用労働者にも適用すべきだ」として「元請けの甲質に遭う下請け労働者、入居者の甲質に苦しめられる警備労働者など、法適用の死角地帯は相変わらずだ」と主張した。クォン弁護士は「職場内いじめが繰り返し発生したり、被害事実が深刻な事業場に対しては、特別勤労監督を実施するなど、労働部が積極的に職場内いじめ問題を解決するための先頭に立たなければならない」と強調した。

2021年10月14日 毎日労働ニュース シン・フン記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=205377