ポスコの前・現職労働者三人が労災(産災)申請 2021年10月08日 韓国の労災・安全衛生

金属労組が正義党のカン・ウンミ議員と一緒に、国会本庁前の階段で、ポスコ職業性癌集団産災申請を知らせ、労組が参加する実態調査を求める記者会見を行った。職業性癌の被害当事者が発言している。/チョン・キフン記者

「病院に行くまでは特別な病気に罹ったこともなく、健康には自信がありました。肺炎と思っていたら肺がんだと言われてびっくりしました。」

ポスコで働いて31年目というA(54)さんは、5月に肺がんと診断された。定年まで後6年の彼は、一ヶ月に一回の坑がん治療を受けながら仕事を続けている。Aさんは「最初に入社した時も、安全や労働者の健康に大きな関心を持たず、安全保護具の支給なども軽視していた」と話した。

金属労組とポスコ社内下請け支会、正義党のカン・ウンミ議員が7日、国会本庁の前で記者会見を行い「ポスコは光陽製鉄所と浦項製鉄所の職業病の実態を調査すべきだ」と主張した。ポスコ製鉄所で働く労働者の内、職業性がんで産災を申請したのは、4月までに9件に過ぎなかったが、最近になって産災申請と認定が増えている。安全保健公団は、ポスコと協力業者など、鉄鋼製造業を対象にした集団疫学調査を始めた。

こうした中、三人のポスコの前・現職の労働者が追加で産災を申請することにした。この日会見場を訪ねたB(68)さんは、2015年に白血病と診断され、坑がん治療と薬品治療を並行している。Bさんは1978年にポスコに入社して2009年退職した。彼は「当時はマスクも使わずに整備業務を行った。」「2000年に入ってからは危険物質の管理もし、健康診断もしたが、形式的だった」と回顧した。

労組は「ポスコに青春を捧げて働き、黙々と職業がんの治療を受けてきた労働者三人が産災を申請した意味は格別だ。」「ポスコは責任ある対策を準備すべきだ」と強調した。ムン・キルジュ光州全南労働権益センター長は「実際にはどれほど多くの労働者が職業性がんで死んだのか、苦痛を受けているのか、把握できていないのがポスコの現実」とし、「雇用労働部は、現在ポスコで働く労働者1万7千人余りに対して、健康管理、コホート調査をして欲しい」と要請した。労組のチョン・ジュキョ副委員長は「ポスコだけでなく、製鉄に関連した事業場の労働者は類似の病気に罹る可能性が高い。」「(製鉄関連の)全事業場に対してキチンとした疫学調査が行われるように希望する」と話した。

2021年10月8日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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