また仕事で挟まれて落ちて死亡・・・労働部、2千人で一斉点検に 2021年7月13日 韓国の労災・安全衛生

現代重工業の下請け労働者チョン・某(43)さんが13日、鉄製のスレートを交換していて墜落した蔚山現代重工業の作業現場。チョンさんが安全ベルトを掛けていた親綱がスレート屋根に擦れて破損した状態だ。/現代重工業支部提供.

産業現場の墜落・挟まれ事故が減らないため、政府が建設業と製造業を特定して、各種の挟まれと墜落の危険要因をいっせいに点検することにした。政府がこのような計画を発表した日にも、建設・製造業の現場で墜落で亡くなるなど、重大災害が発生した。

雇用労働部は今月から毎月隔週で『現場点検の日』を決めて、産業安全保健監督官と安全保健公団の1800人余りが、産業現場の挟まれ・墜落事故に関する全国一斉点検を行うと13日明らかにした。今月は14日と28日に、事業場に公示をした後で初めての点検を行う。8月からは一ヶ月に二度、公示なしで点検を行う予定だ。労働部が一度に2千人に近い人数を特定の産業の監督に投入するのは異例だ。

点検対象は死亡事故がしばしば発生する建設業と製造業の事業場だ。昨年産業災害による死亡者882人のうち、458人(51.9%)が建設業、201人(22.8%)が製造業の従事者だった。建設業は墜落事故が、製造業は挟まれ事故が頻繁だ。

一次点検日の14日は、全国の建設現場の墜落事故予防措置を点検する。墜落事故は足場(建設現場の臨時の作業台)、外壁作業と屋根の設置、階段・はしごなどで主に発生する。監督官は、△安全手摺りと作業台、墜落防護ネットなどが正しく設置されているか、△作業者が作業用ロープ以外に命綱などを着用しているか、△保護帽などが正しく支給・着用されているか、などを重点的に点検する予定だ。

二次点検日の28日は、製造業の事業場の挟まれ危険の要因を点検する。挟まれ事故は、主に危険な機械を整備・補修する過程で発生する。監督官は、△原動機と回転軸などに挟まれ事故防止の覆いなど、安全設備が正しく設置されているか、△機械の整備・補修作業をする時に運転を停止しているか、△リフト車の作業者が適正な免許を保有しているか、などを点検する。

政府は点検を経て、安全が不備な部分には是正を要求する一方、安全管理実態が深刻な場合、行政的・司法的な措置も併行する予定だ。

労働部のクォン・ギソプ産業安全保健本部長は「単純な現場指導・監督を越えて、産業現場の産災予防の認識と行動を変化させようと思う」と話した。

労働部の一斉点検発表に前後して、製造業の現場で労働者二人が、それぞれ墜落事故と挟まれ事故で死亡した。12日午前5時30分頃、現代重工業の下請け業者の労働者のチョン・某(43)さんが工場の屋根に上がって鉄製スレートの交換作業をしていて、25m下に墜落した。全国金属労組現代重工業支部はチョンさんが安全ベルトを掛けて身体を支えていた墜落防止用のロープが、鉄製のスレートの鋭い角で切れた上に、現場には墜落防止ネットも設置されていなかったと主張した。10日には韓日セメント公州工場の協力業者の労働者が、稼動が止ったセメント袋の積載機の整備中に、設備が突然動き出して頭を挟まれて亡くなった。

:2021年7月13日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1003301.html