「宅配のない日」11年振りに家族と一泊二日の休暇が取れました 2020年8月18日/韓国の労災・安全衛生

14日、仁川でCJ大韓通運の宅配労働者Cさんが息子と一緒に水遊びをしている。 <本人提供>

「忙しくて行けなかったのですが、今回の休暇で大田の義理の両親と逢って来ました。一日は日帰りで海水浴に行って、刺身を食べて、コーヒーを飲んで、海岸の散歩もしました。妻がとても喜んで、再充電できました。」

2年目のロッテ宅配の労働者A(42)さんは甘い夢のような二泊三日の休暇を過ごして、17日に業務に復帰した。Aさんの声にはときめきが残っているようだった。「この間、体調が悪くても安心して休めなかった」「替りを頼めば、一日に何十万ウォンか出さなければならない」と言った。

㈱韓進が1992年に韓国で初めて宅配事業を始めて28年目に、初めて『宅配のない日』が施行された。

宅配労働者は特殊雇用職で、配達の件数で手数料を受け取って生活する。ほとんど週6日働いて、週52時間上限制の適用を受けられない。勤労基準法が適用されず、有給休暇は夢にも見ることができなかった。

宅配労働者は初めての公式休暇をどのように過ごしたのか。<毎日労働ニュース>が宅配労働者の話を聴いた。

家族と水遊びとバーベキューパーティーをしましたよ

宅配を始めて11年というCJ大韓通運のB(51)さんは、娘が二人、息子が一人だ。11年目で初めて一泊二日の家族旅行に出かけた。「統営に行って、バーベキューをして、子供たちとも話しができた」「子供たちがとても喜んで、本当に気分が良かった」と話した。彼は「宅配のない日を一回のイベントで終らせず、制度化すると良い」と願った。
「うちの息子は一日に100回もパパを呼ぶんです。宅配を始めて14年、息子が生まれて6年目の宅配のない日に初めて休暇をとり、夢のような時間を過ごしました。」
CJ大韓通運の宅配労働者の仕事をして14年。宅配連帯労組・副委員長のC(50)さんも宅配ない日に家族と日帰りの旅行をしてきた。Cさんは「泊まりは少し負担なので、14日から3日間は、家を午前9時に出て海水浴に出かけた。」「妻はパラソルの下で休み、私は息子を浮き輪に乗せて、今まで遊べなかったことを全部しようとした」と言って笑った。Cさんは3年前から痛みを感じていたが、忙しいので先送りしていた病院にも行った。病院は左の肘の靭帯が悪いと言って、物理治療と薬品の服用を薦めた。

過労死防ぐための休む権利を保障しなければ

宅配のない日は一日で獲得できたのではない。昨年、宅配労働界は『宅配のない日』を宅配会社に公式に要求した。宅配会社は「宅配技士と直接契約しているのは宅配代理店」で、「宅配会社は権限を持っていない」と、要求を受け容れなかった。

2020年に宅配会社が前向きな姿勢を見せた背景には、宅配労働者の過労死と過労死と推定される死がある。基本所得党のヨン・ヘイン議員が12日に公開した『宅配業の産業災害現況』によると、今年1月から6月までに、宅配労働者9人の内7人が過労に因る心血管系疾患で亡くなった。労組は公式に集計されていない過労死推定死を合わせれば、10人越える宅配労働者が過労で亡くなったと見ている。

Cさんは「労組加入率が高い一部のターミナルでは週5日制を実施しているが、ほとんどの現場は週6日勤務をしている」「休暇だけでなく、週5日制の定着で、宅配労働者の過労死を防がなければならない」と主張した。

2020年8月18日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=166075