労働安全対策の死角地帯「精神病による死亡」/韓国の労災・安全衛生2025年10月21日

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仕事中に精神疾患で死亡する人が全業種を網羅して見付かっている。事故中心の労災対策も重要だが、仕事場の心の健康を政府次元で細かく見なければならないという必要性が提起されている。

男性・その他の事業・製造業で遺族給付の申請が多く

<毎日労働ニュース>が国会・気候エネルギー環境労働委員会のパク・ホンベ「共に民主党」議員から受け取った『精神疾患遺族給付申請と承認状況』によれば、精神疾患死亡による遺族給付支給件数は2020年が49件、2021年が77件、2022年が38件、2023年が35件、昨年は38件で、2021年以後は足踏み状態だ。今年は8月までに19件が支給された。

遺族給付の申請件数は、2020年の75件から2021年の147件に二倍近く増えたが、2022年に85件に急減した後、2023年度は85件を記録した。ところが、昨年は109件に再び急増した。5年に500人余りの労働者が、仕事場で精神的な困難を訴えて亡くなったということだ。今年の8月までの申請件数は52件だ。性別では、2020年に男性63人(女性12人)、2021年に121人(26人)、2022年に72人(13人)、2023年に72人(13人)、昨年85人(24人)で、死亡した男性労働者の遺族が給付を申請する事例が多かった。

業種別に見れば、その他の事業と製造業で遺族給付申請が多かった。その他の事業は2020年42件(24件承認)、2021年81件(41件承認)、2022年47件(25件承認)、2023年37件(19件承認)、昨年50件(14件承認)の順だった。製造業では同期間19件(14件承認)、39件(20件承認)、18件(6件承認)、23件(5件承認)、30 件(10 件承認)の遺族給付申請があった。

新政府、労働安全総合対策から精神疾患をなくす

朴弘培議員「労働者の心の保護制度を強化せよ」

金融・保険業と運輸・倉庫、通信業、建設業でも、精神疾患による遺族給付を申請する遺族がいた。

精神疾患は『労災との戦争』を宣布した新政府の対策でも死角地帯だ。先月、汎省庁総合対策として発表された労働安全総合対策は、業務上の事故予防と重大災害が繰り返された企業に罰金を与える内容を骨子とし、相対的に事故に集中した。

パク・ホンベ議員は「業種を問わず増えている精神疾患と自殺労災は、私たちの労働現場で「心の健康」が深刻な危機にあることを如実に示している。」「健康な労働は身体だけでなく、精神的な健康まで包括しなければならないので、労働者の心を保護し、支援できる法的・制度的な装置を直ぐに強化しなければならない」と強調した。

労働部の関係者は「労働安全総合対策は事故性災害が中心だが、保健や健康に関する部分は、労災予防五ヶ年計画を樹立する時に反映し、推進する予定」で、「勤労者健康センターとトラウマセンターの専門性向上のための教育課程開発など、多様な政策を準備中」と説明した。

2025年10月21日 毎日労働ニュース カン・ハンニム記者

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