地方公務員災害補償の問題点基金本部と久しぶりに交渉実施、突然死した消防レスキュー隊員の両親も参加【特集】地方公務員災害補償地公災基金本部との交渉

交渉記録

2024年7月9日、久しぶりに地方公務員災害補償基金本部との交渉を行った。
基金本部側:総務課次長・平本勝也氏、企画課次長・佐藤哲也氏、調査役(困難事案担当)補償課次長・永作卓士氏。
当方:全国安全センター事務局長・古谷杉郎、東京労働安全衛生センター事務局長・飯田勝泰、同事務局・天野理、名古屋労災職業病研究会事務局長・成田博厚、関西労働者安全センター事務局次長・酒井恭輔、神奈川労災職業病センター事務局長・川本浩之、同事務局・鈴木江郎、森田洋郎。以下、交渉記録である。

2024地方公務員災害補償基金本部と交渉(NPO法人神奈川労災職業病センターサイト記事2024年10月15日)

交渉関連資料)医療従事者等以外の職員にかかる新型コロナワクチン接種の公務遂行性について

令和4年3月7日事務連絡
各支部事務長あて補償課長

医療従事者等以外の職員に係る新型コロナワクチン接種の公務遂行性に関し、下記のとおり、支部からの質問に回答したので周知します。
問 警視庁職員の新型コロナワクチン後種については、都民の安全・安心を日々守るべき警視庁職員の感染を防止することにより、都市活動や都市織能を維持していくとの都の方針を踏まえ、実施されたものである。実施方式は、都が臨時に設置した大規模接種会場の専用運用期間を設けて職域集団接種を行うものであり、スケジュールについては、一般向けの接種に先立ち1回目接種が令和3年6月8日から開始されたが、警視庁では、職員に対し、接種要領等の具体的な指示がなされるなど、組織規模で取り組んだ。
このような中、警察行政職貝が当該接種会湯において新型コロナワクチンを接種した後、副反応と考えられる症状が出現したが、当該警察行政職員(以下「被災職員」という。)のワクチン接種について公務遂行性を認めてよいか。
なお、彼災職員の職腫(以下「該当職種」いう。)の感染リスクは、職場環境については、警察官がパトロール、犯罪捜査などを通し、日常的に外部の不特定多数の者と接触する後会が極めて多いところ、警察行政職員は、警察官と職場を同じくし、業務を通して警察官と接触することが不可避なためその感染リスクは高く、担当業務についても、デスクワークのみならず、窓口対応、留置業務、許認可業務務や相談業務等で不特定多数の一般人と密接に関わる業務を担当する場合があり、感染リスクは低くはない。彼災者自身も、日常的に遺失物や行政手数料の徴収などの窓口対応及び留置業務等を担当し、業務による感染リスクは高かった。
被災職員のワクチン接種に係る命令・指示の状況については、警視庁警務部長通達を踏まえて、彼災職員が所属する警察署から彼災職員に、大規機接種会場での接種割当ての連絡がされたものであり、同署においては、クラスター化を招くことは何としても回避する必要があったため、対象者のほとんどがワクチンを接種している。
答 彼災職員の新型コロナワクチン接種については、①自治体等において、該当職種について、その業務目的に照らし、優先的に接種すべき必要性が認められ、実際のスケジュールについても優先接種の対象である高齢者等の接種と並行して行われるなど優先的な接種が行われていること、②該当職種は、新型コロナウイルスの感染危険性の高い職種であると認められること、③該当職種は、警察・消防等のの公務独自のものであること、④任命権者又は所属が、ワクチン接種に係る命令・指示等を行い、ワクチン接種の場所と日時を割り当てるなどしていること、⑤業務上の強い必要性から、対象職員のほとんどが接種することが想定され又は実際に接種していることから、「公務上の災害の認定基準について(平成15年9月24日地基補第153号)」の2(3)イにいう「健康管理上の必要により任命権者が執った措置(予防注射及び予防接種を含む。)」に相当するものとして、公務遂行性を認めて差支えない。
なお、①から⑤のそれぞれについて、被災職員と同様の状況にある地方公務員災害補償制度適用職員のワクチン接種についても、公務遂行性を認めて差支えないものとする。

安全センター情報2024年12月号