「卵巣喪失=睾丸喪失の障害等級」判決に控訴した公団 2023年3月21日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/イメージトゥデイ

『早期卵巣不全』で早期に閉経した女性労働者の障害等級を、男性と同じように判断すべきだとした判決に控訴した勤労福祉公団を批判する、市民社会団体の批判が出てきた。

「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)は20日に声明を出し、「性差別的な労災障害等級の決定を正した判決に、控訴した勤労福祉公団を糾弾する」とし、「勤労福祉公団は今すぐ控訴を撤回し、性差別的な障害等級基準を再整備せよ」と追求した。

ソウル行政裁判所は先月8日、LG電子半導体の女性労働者A(40)さんが勤労福祉公団に起こした障害等級決定処分取り消し訴訟で、原告勝訴判決を行った。Aさんは有害化学物質にばく露して重症再生不良性貧血を発症したが、その後遺症で『早期卵巣不全』と診断された。

しかし、労働災害補償保険法施行令には女性の『生殖機能』喪失に関する別途の障害等級基準がないことがAさんの足を引っ張った。男性の場合、「両側の睾丸を失った場合」障害等級7級が認められる。

裁判所は、Aさんも、男性が睾丸を失った場合と同様な障害に該当するとし、障害等級7級を認めた。「法令は『卵巣喪失』に関して別途の規定を設けていないが、男性の『睾丸』に対応する女性生殖器官が『卵巣』という点で、似たような障害に該当すると見なければならない」と判断した。

公団は3日に控訴した。パノリムは「公団は性差別的な障害等級決定に対して、反省どころか、これを正した判決にも従わずに控訴し、原告に再び大きな傷を負わせた。」「原告は、他人のように平凡に家族を作って生きる暮らしは夢に見ることもできなくなったのに、公団が抱かせたのは差別と傷だけ」と批判した。特に、障害等級1~7級は年金が支給されるが、8~14級は一時金が支給され、補償格差も大きいと指摘した。

Aさんは「弱者の立場で厳しい法廷闘争を強いられた過去に耳を傾け、公正な判決を行った裁判所に感謝する」とし、「時代に逆行する公団の控訴決定に再び大きな傷を負った。二審でも裁判所の公明正大な判決が下されることを願う」と話した。

2023年3月21日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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