クレーンの作業速度が遅くても、強風で作業停止しても免許停止。国土交通部、不当行為基準を発表 2023年3月12日 韓国の労災・安全衛生
強風が基準値を超過するなど、工事現場でタワークレーンの操縦士が自ら危険な状況だと判断したとしても、管理者の承認なく現場を数回離脱すれば、免許が停止される可能性がある。
労働者を保護するために法で定めた『作業中止権』が、タワークレーンの労働者には無用の長物になるという憂慮が起きている。政府は悪意的に繰り返される場合に処罰するという考えだが、タワークレーン労働者を圧迫し、危険に追い遣る手段として悪用される可能性も排除し難い。
また、故意にタワークレーンを低速運行したり、手続きを踏まずに争議を行った場合にも、最大一年まで免許停止の処分がされる。
国土交通部は12日、このような『建設機械操縦士の国家技術資格行政処分ガイドライン』で、不当行為の15類型を発表した。
不誠実業務の類型は、大きく一般事項と勤務態度、禁止行為、作業拒否などに分かれ、国土部は現場管理者が適用できるようにガイドラインに細かい事例を示した。
先ず、タワークレーン操縦士が普段より意図的に作業を遅らせ、後続工程の遅延などの支障が生じた場合、免許停止処分をすることができる。例えば、タワークレーンの引き揚げ物がない場合でも、引き揚げ時と同じ区分動作(上昇-作業半径変更-回転)で作業した場合は、意図的に時間を遅延させたものと判断する。
現場で定めた作業開始時間前までに、正当な理由なく操縦席への搭乗などの作業準備を完了できなかったり、タワークレーンの正常稼動速度よりも過度に低速運行する場合、作業開始後に、元請負業者またはタワークレーン賃貸士の承認を受けずに安全点検を実施した場合も、勤務態度不良で免許停止の処分を受ける。
作業場内の瞬間風速が基準値(10メートル)を超過したとしても、元請負業者の承認なく操縦席から離脱すれば、免許停止処分とされる。
産業安全保健基準に関する規則第37条によると、事業主は瞬間風速が毎秒10mを超過した場合、タワークレーンの設置・修理・点検または解体作業を中止しなければならず、瞬間風速が毎秒15mを超過した場合、タワークレーンの運転作業を中止しなければならない。
しかし国土部は、この時の作業中止の判断権限は事業主にあると解釈した。建設労働者の『作業中止権』は法が定めた労働者の権利であり、今後、この解釈を巡って論争が起きる可能性もある。
元請負業者の正当な作業指示を特別な理由なく拒否したり、適法な手続きを経ずに争議行為をした場合にも免許を停止する。これと共に、労働災害が発生する緊迫した危険状況ではないにも拘わらず、操縦士一人で判断し、操縦席を勝手に離脱した場合にも免許を停止することにした。
作業中に動画を視たり、勤務終了前に飲酒をした場合なども、免許停止処分を受ける。
国土交通部は特定の違反行為が月二回以上発生した場合、免許停止処分の手続きに着手すれば、ガイドラインに従って最大12ヶ月まで免許が停止される。ただし、飲酒などの禁止行為と作業拒否行為は、一回だけでも免許停止処分の手続きを行う。
国土部長官は「施工能力評価上位10社で、タワークレーンの操縦士の作業遅延などで工事に支障が生じたのは146ヶ所で、10社の現場の約42%になる。」「タワークレーンが止まると建設現場が止まるということを悪用し、意図的に作業を遅延させるなど、工期遵守という建設現場の共同の目標に背を向ける行為には、強い警告メッセージを送る」とした。
2023年3月12日 京郷新聞 リュ・インハ記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202303121100001