繰り返される忠清北道の移住労働者の重大災害死亡 2022年4月13日 韓国の労災・安全衛生
4月2日と5日、キノコ農場とサミョンパッケージの工場で2人の移住労働者が労災事故で命を落とした。重大災害処罰法が施行されているにも拘わらず、わずか3日間で移住労働者2人が次々と重大災害で死亡した。
今回の2件の労災死亡事故を含め、今年忠清北道だけで9人の労働者が労災事故で命を失った。重大災害処罰法の適用対象となる50人以上の事業場での労災死亡事故は3件だ。重大災害企業処罰法の施行後、忠清北道の重大災害発生状況はむしろ悪化している。ただでさえ労働条件が劣悪な移住・下請け労働者は、より大きな危険に曝されている。今月2日と5日に発生した重大災害で死亡した被害者は移住労働者であると同時に下請労働者だった。
民主労総忠北地域本部は、非正規職のいない忠北作り運動本部、重大災害企業処罰法制定忠北運動本部、忠北市民社会団体連帯会議と一緒に13日、繰り返される移住労働者の労災死亡事故に対して、忠清北道を始め、地方政府の責任を問い、対策作りを促す記者会見を行った。
民主労総忠北本部のイ・ジンヒ首席副本部長は、「忠清北道は制度外で保護されていない下請け労働者、零細事業場労働者、移住労働者の深刻な労働現実を直視するべきだ。法の死角地帯に置かれている労働者の事故予防と労働安全強化のため、昨年7月、忠清北道道民の署名で住民発議された労働安全保健条例が、産安法を超える内容だとして後退させた労働安全保健条例の原案を、忠清北道は想起して正さなければならない。労働安全調査官、労働安全守護団を今すぐ設置して運営せよ!」と、労災死亡事故対策作りのための地方政府の責務を果たすことを追求した。
非正規職のいない忠清北道作り運動本部のソン・ジヒョン共同代表は、「先日、労働者が亡くなった工場は、半分が非正規職の工場だった。法律で守るべき安全装置を事業主が勝手に外しておいて、労働者に死に跪かせる労働を強要した工場だった」とし、劣悪な労働環境に置かれている移住労働者の現実に憤り、「昨年制定された忠清北道の労働安全条例には、特殊雇用労働者、移住労働者、小さな事業場の労働者の生命と安全、保健のために忠清北道が金と人を使って守ると書いてある。労働安全調査官制度を設けると書いてある。劣悪な労働に悪辣な事業主から逃れて事業場を移動する権利さえない移住労働者たちは、定住労働者の三倍以上死んでいる。労働者の命を守る義務は忠清北道にある。」「小さな事業所の特殊雇用移住労働者の残酷な死を防ぎ、労働安全条例を通じて、より多くの労働者の生命を守ることの先頭に立つ」と叫んだ。
記者会見に一緒に参加した移住民労働人権センターのアン・ゴンス所長は、「先日、タイ人の女性が古鉄の破砕作業をしていたところ、足を挟まれ、太ももまでが破砕される事故が起きた。昼夜を問わず、月に二回しか休めない大変な労働をした。ところが、賃金はわずか150万ウォンだった。これが未登録労働者たちの現実だ。移住労働者たちを適当に働かせ、怪我をすればいい加減な治療を受けさせ、適当に補償して故国に送り返してしまえば良いという現実が繰り返される」とし、地域で起きた移住労働者の労災事故の一例を挙げた。私たちが彼らとどのように一緒に生きていくのかを考え、今からでも彼らが人間らしく処遇され、働けるようにしなければならない」と話した。
記者会見の参加者らは忠清北道に向けて△移住労働者の生命安全保障対策作り、△移住労働者の、危険事業場から逃げ出す権利の保障、△労働安全条例の責任履行、△職場安全監視と予防の段階からの労働者の参加を保障、△差別のない重大災害企業処罰法の全面適用、などを要求して記者会見を終えた。
民主労総忠北地域本部は2021年、住民発議で制定された「忠清北道産業災害予防及び労働安全保健支援条例」で規定されているのに、一日延ばしに施行を先送りしている労働安全調査官制度と労働安全支援団制度を迅速に設置・運営し、自治体の責務である労働安全対策をきちんと履行できるよう、忠清北道に向けた闘いを続ける計画だ。
2022年4月13日 労働と世界 シン・ヒヨン記者
http://worknworld.kctu.org/news/articleView.html?idxno=405410