韓国・クパン物流センターの新型コロナ感染労働者に労災認定。家族感染１名は意識不明、被害者の会が対策を要求。 2020年8月9日／韓国の労災・安全衛生

クパン物流センターで働いてコロナ19に感染した労働者が、産業災害（労働災害）を認められた。クパンで働いた労働者が産業災害を認められたのは今回が初めてだ。

「クパン発コロナ19被害者の会」によれば、勤労福祉公団は最近クパンの富川新鮮物流センターで働いてコロナ19陽性となったAさんの労災申請に、業務上疾病判定委の審議を経て、業務上疾病と認めた。

富川新鮮物流センターは、換気口や窓がない密閉された空間に一度に400人の労働者が投入されて仕事をしていた。労働者は、忙しい時は二人1組で作業をするなど、十分な間隔をとれないまま密集勤務をしなければならなかった。このような作業環境とクパンの遅れた対処とが重なって、集団感染に繋がった。5月23日に初の陽性者が出たのに、物流センターは25日まで正常作業を行った。その結果、富川新鮮物流センターだけで152人の陽性者が発生した。

今回認められたAさんもやはり5月25日まで勤務をして、26日に陽性と判定された。承認以降の治療費と、感染によって働けなかった日に対する損失の一部は補填可能になった。しかしAさんが受けた被害の回復は容易ではないと思われる。Aさんの感染によって、Aさんの家族もコロナ19に陽性と判定されたからだ。Aさんの家族の1人は、感染以後、現在まで意識がない状態だ。現行法上、労災保険は業務上の疾病などで被害をこうむった当事者にしか支援されない。

勤労福祉公団は2月に、業務中にコロナ19患者との接触によって業務上の疾病が発生した場合、速かに療養と補償の支援を実施することにした。4月には九老区コールセンターで働いてコロナ19に感染した労働者が労災を認められたことがある。

「クパン発コロナ19被害者の会」はこの日、「コロナ19が明確で、業務関連性も疾病管理本部の動線把握などで事業場感染が明らかであれば、推定の原則によって疾病判定委員会の審議手続きを省略してでも迅速に承認して、被害者の苦痛を少しでも軽減することができるようにしなければならない」。「労災が原則的に本人だけの認定になっているので、生死の境をさまよっている家族の場合、治療費の支援さえ受けられない。これら対する対策作りも急がれる」とした。

2020年8月9日　京鄕新聞　イ・ヒョサン記者

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