公務員の災害補償を拡大するが、「システムに隙間」/韓国の労災・安全衛生2026年09月15日

政府は、自殺の危険にさらされている公務員の業務を停止し、殉職遺族への補償を充実するなど、公務上の災害に対する予防・補償制度を拡充する。公務員労働界は、制度に実効性を持たせるためには、災害リスクの早期発見体制や人材の空白対策、災害認定手続きも併せて見直すべきだと指摘している。
人事革新処が『公務員災害補償制度改善総合計画』を発表した。公務員が精神的・身体的な危険に直面した場合、災害を予防し、治療と復職を支援すると共に、殉職した場合の遺族補償を拡大する内容が骨子だ。
災害予防のために『緊急職務休止』を新設し、自殺の危険など、危機に直面した公務員が直ちに業務を停止し、診療を受けられるようにする。心理検査と健康診断を活性化し、検査結果に応じて業務の再配置や病気休暇・休職などを支援する。公務員メンタルヘルスセンターの拡充と、高リスク群の「地域自殺予防センター」との連携も進める。
緊急職務休止は、病気休暇を利用する短期の措置である。人事処の災害予防政策担当官室の関係者は、「診療や相談に必要な(病気休暇を)短期間使用すること」で、「長期間の療養が必要な場合は、疾病休職を使わなければならない」と説明した。緊急職務休職に伴う不利益を禁止する内容は、この日立法予告した『公務員災害予防に関する規定』制定案に盛り込まれた。制定案は来年2月末に施行される予定だ。
災害に遭った公務員の治療と復職支援も増やす。リハビリ給付は、公務上の療養終了後から6ヶ月まで受けられるようにし、リハビリ運動費は最大30万ウォンから60万ウォンに引き上げる。危険職務を遂行した場合、公務上疾病休職期間を、すべての職種に最長8年まで取得できるよう拡大する。長期治療の後には、勤務場所と業務範囲を調整し、通常勤務に移行する段階的な職務復帰制度を導入する。
危険職務殉職遺族年金の支給率は、基準所得の月額の43~63%から、47~67%に引き上げ、殉職公務員の死亡弔慰金の最低額は、595万ウォンから1190万ウォンに引き上げる。戦死・殉職遺族給付の請求と報勲登録の申請のうちの早い日から報勲補償の権利が生じるよう、国家有功者法などの改正も推進する。
災害補償審査を担当する公務員災害補償審議会の委員は100人から200人に、公務員災害年金委員会の委員は50人から100人に増やす。行政審判または裁判所の判決に基づいて再処分する際には、審議を省略できるようにする。
「心の負担なく休める雰囲気を第一に」
公務員労働界は、制度拡大の方向性には共感しつつも、実際に利用できる組織環境が必要だと指摘した。政府は緊急職務休職を診療・相談のための短期病気休暇として設計したが、業務の空白に対する別途のフォローアップ措置は今回の計画に盛り込まれていない。
公労総の首席副委員長は「人材の空白による精神的な負担のために、適切な時期に治療を受けられない問題が依然として残っている。制度を気兼ねなく利用できる雰囲気が醸成されなければならない」と話した。続けて「病気休暇を取得できる環境が整っていない状態で、組織が先に危険性を発見して仕事を休ませるのは、現場で受け容れられにくい現実がある」とし、治療とトラウマの回復まで連携させるべきだと強調した。
公務員労組の首席副委員長も「病気休暇や休職で業務に空白が生じた際に、後続措置がないことは疑問だ」。「部署長が勝手に業務を調整するのであれば、組織内で気を使わざるを得ない」と皮肉った。
危機にある公務員の危険信号を誰が見抜くかも、課題として指摘された。政府は心理検査・健康診断や訪問型心理支援などを提示したが、危険信号を専門的に把握するための別途の人員を配置する案は、今回の計画に含まれなかった。公務員労組教育庁本部労働安全委員長は、「危機的な状況にある公務員を速やかに発見できるシステムが整備されなければ、意味のある制度とならない」とし、「問題があると伝えられる専門の人材が必要だ。発見するシステムがなければ、結局は病気休暇を使うだけに終わる可能性がある」と話した。
公務上の災害認定手続きの改善も求められる。政府が打ち出した審査体制の改善策は、災害補償審議会と年金委員会の委員拡大、再処分手続きの簡素化である。審議過程に労働者が参加する案は含まれなかった。公務員労組教育庁本部労働安全委員長は「単純に委員会の数を増やすだけでは不十分だ。」「公務上の災害として認められなければ、拡大された災害補償も受けられない。労組が参加し、労働者の声を反映できるようにすべきだ」と主張した。
2026年9月15日 毎日労働ニュース ウ・ダヨン記者
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