コロナ労災申請いまだに29件うち医療関係23件/請求勧奨・監督強化を/公務員の状況について人事院と総務省は早急に明らかにするべき
新型コロナウィルス感染症の感染発症にともなう民間労働者をカバーする労災保険への申請件数がようやく二桁に乗ったが、いまだに30件に満たないことがわかった。
厚生労働省がサイトの片隅に隠すように掲載している労災申請件数が5/12現在合計29件だとしている(下表)。
実態から推測して、少ないし、遅いし、認定件数がいまだにゼロとはいただけない。迅速認定が行われていないとみられる。認定調査、判断のプロセスに問題があるとしか考えられない。
労災請求件数の公表姿勢とあいまって厚生労働省が労災申請の抑制を行いたいのかと勘ぐられてもしかたがない状況だ。新型コロナ感染症は「普通に」労災なので、会社は労災請求に協力するべきは当然だが、労働者死傷病報告を提出する義務がある。出さなければ「労災隠し」だ。そしてこの義務違反は監督する責任は、労災担当ではなく、労働基準監督の部署にある。
したがってコロナ労災に対処するのは、労災申請を受け付ける部署だけではない。
厚生労働省、労働局、労働基準監督署は監督責任を果たさなければならないが、この仕事はきちんとされているのだろうか。労災と監督、両方とも頑張って仕事をしてもらいたい。
公務員の労災(公災)請求件数がいまだ明らかにされていない。国家公務員は人事院、地方公務員は総務省の管轄なので、両者は公災請求・認定の状況をすみやかに明らかにしながら、請求勧奨・迅速認定をはからなければならない。