マートの義務休日を平日に変えたら・・・「病気で生活が壊れる」 2024年01月18日 韓国の労災・安全衛生
「週末に休業にチェックして勤務日程が決まったのに、『人数が足りないから出てくれ』というケースも日常茶飯事です。(義務休業日が)平日に変わってからはもっと多くなりました。ディール(交渉)をすることもあります。『今度出てくれれば、来週は週末を休んでもらいます』というふうに。」
「金、土に仕事をすると、一番忙しい時間に働くことになり、月曜日に休んでも何もできません。家庭のことも、何もかも滅茶苦茶で。溜まった皿洗いもできないことがしょっちゅうです。そんな日は本当に、ただ横になって休まなければなりません。」
大型マートの義務休業日を週末から平日に変えると、労働者の仕事と生活のバランスとストレス、健康状態に深刻な悪影響を与えるという研究結果が出た。政府が大型マートの義務休業日の規制を『規制緩和の1号課題』に設定し、一部の地方自治体は義務休業日を週末から平日に変えている。労働者の意見を反映して義務休業日を設定すべきだと指摘されている。
民主労総サービス連盟マート産業労組が記者会見を行い、『マートの義務休業日の変更に伴う労働者の健康と暮らしの実態調査』を発表した。
研究を行った韓国労働安全保健研究所の研究陣は、昨年5月にマートの義務休業日を平日に変えた清州マートの労働者にアンケート調査を行った。義務休業日が週末の時に55人を調査し、平日に変えて三ヶ月が経って、33人を再び調査した。
清州マートの労働者の内、「一ヶ月で日曜日に三回以上働いた」という比率は、義務休業日の変更前の30%から変更後の75%に、ぐんと上がった。「職場生活と家族(個人)生活が衝突して葛藤がある」という応答は、56%から60%に、「業務ストレスが家族(個人)生活にまで及ぶ」という応答は、71%から78%に上がった。「仕事と生活のバランスが不満足だ」という応答は、70%から96%に、「勤務時間に不満足だ」という応答は、43%から54%に増えた。
「全般的な健康状態が悪くなった」という回答は、義務休業日の変更の前後で、54%から66%に上がった。この三ヶ月間で業務上疾患が発生した経験も「筋・骨格系疾患(93%→97%)」「頭痛・眼球疲労(70.9%→78.8%)」「全身疲労(95%→100%)」と跳ね上がった。
清州マートの労働者たちは、実態調査で「週末に家族同士が交わることができない」「週末には商品の入庫が二倍に増えて、上手くいかない」「曜日がどんなに回るのか、未だに紛らわしい」などの意見を出した。義務休業日変更の過程で、「マート労働者の意見が反映されなかった」という不満も大きかった。マート労働者は「私たちにも家族がいて、個人の生活があるのに、そのような部分を尊重する気が一つもなくて、すごく不快だった」と話した。
研究陣は「労働者が週末にきちんと休むのは企業にも利益」で、「労働者の健康に悪影響が現れている以上、義務休業日の平日への変更を拡大するのを止めて、既に平日に変えたところも日曜日に変更したりする方法を、積極的に考慮すべきだ」と話した。
政府と経済界などが大型マートの義務休業日の変更の根拠として挙げる『大邱広域市での大型マートの義務休業日の平日への転換六ヶ月の効果分析報告書』が間違っているという指摘も出てきた。昨年2月、大型マートの義務休業日を平日に変えた大邱市は、義務休業日を変更した後の六ヶ月間、スーパーマーケット・飲食店など、主な小売業の売上が19.8%上がったと発表した。大型マートの義務休業日の平日への転換が、伝統市場の売上も上げることになるという主張だ。
この日の発題者として参加した仁川大貿易学部のユ・ビョングク教授は、「大邱市が、義務休業日の変更後に廃業した中小の小売業者を除いて売上を分析して、間違いが生じた」と主張した。商店街の情報データを分析した結果、大邱市の中小・小売業者の店舗の一年間の営業維持率は、義務休業日の変更前の86.2%から、変更後の20.0%に大きく落ち込んだと指摘した。ユ・ビョングク教授は「廃業した業者を除いて売上を分析し、『売上が上がった』と広報することは、適切ではない」と話した。
特に、大型マートと商品が重なる総合小売店、飲食・食料品販売店などは、維持率が更に下がった。「現在の状態での義務休業日の平日への変更は、中小・小売業が維持できないことはもちろん、地域商圏内の業種間の不平等を更に深刻にさせる」とし、「流通産業の共生発展を図る流通産業法の根本的な趣旨にも符合しない」と指摘した。
2024年1月18日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202401181326001